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わたしたちの「女の子」レッスン―はじめての生理ハンドブック 女子力UP!委員会
2011.08.26 Fri

わたしたちの「女の子」レッスン―はじめての生理ハンドブック 女子力UP!委員会
訳者など:WILLこども知育研究所 ()
出版社:金の星社
イチオシではありませんが、読んでみてください。 女子の生理解説本では、高橋由為子の『セイリの味方スーパームーン』が優れているけれど、タイトルがいささか古びてしまったし、新しい伝え方もあるでしょうから、新本は大歓迎。 生理そのものが変わるのではないので、全体的には無難なまとめ方です。マンガの多用は当然で、サポーターとなる架空キャラがちょっとドジってのもまた、お約束。絵柄が少し古いのが気になりますが、読みやすくするということでしょうか。 内性器だけではなく外性器まで詳しく図解も入れて説明しているのは、自分の体を知ることで自分を守る自律性を育てる方向として、とてもいいです。 こんなことすら、大人の女に対してもフェミニズムが啓蒙しなければいけない時代が、あった(『からだ・私たち自身』松香堂 1988)ことを思うと、うれしい限りです。 ただ、生理と「私」への目配りは良いとして、高橋由為子にはあった外部社会への視線がないのが残念です。 男の子をどう撃退するか、またはどう仕付けるか、ナプキンやタンポンとエコなど。 これはとても大事です。外性器まで自分で把握して自律した心が、自分の外(または自分と社会)へと関心を向けないはずがないからです。 この辺りで、「WILLこども知育研究所:編著 池下育子:監修」というのが裏目にでています。この「WILLこども知育研究所」は、金の星社の「知育本」を担当していますから、架空集団、または時々の仮の集団なのでしょうが(奥付に紹介がありません)、これでは責任の所在が見えてきません。 本を作るのには便利でしょうけれど、覚悟という意味では、引けています。
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