イベント情報
戻る北海道
「日本映画における女性パイオニア」プロジェクト特別上映会「望月優子と左幸子—女優監督のまなざし」
イベントURL: | https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfok3VHl3LA4Yp6n3EipH1QuUSB4W60jhK_2lzdYH3z3kcB5w/viewform |
---|---|
主催者: | 「日本映画における女性パイオニア」プロジェクト |
主催者URL; | |
開始日時: | 2021年08月29日 (日) 11時30分 |
終了日時: | 2021年08月29日 (日) 18時00分 |
会場: | 国立映画アーカイブ 小ホール(B1) |
会場URL: | |
連絡先: | info.wpjc@gmail.com |
登録団体: | |
パンフレット: | |
詳細: | 望月優子と左幸子—女優監督のまなざし 【開催日時】 開催日:2021 年 8 月 29 日(日)11:30〜18:00(開場11:00) 主催:「日本映画における女性パイオニア」プロジェクト 会場:国立映画アーカイブ 小ホール(B1) 定員:75名 入場料:無料 申し込み(必須):https://bit.ly/3l8ZcKr お問い合わせ: info.wpjc@gmail.com 戦後、日本では大手映画撮影所の助監督への応募資格が「大卒男子」となり、長編劇映画の監督になるエリートコースが女性には事実上閉ざされた。そんななか、第一線の演技者として現場で培った経験と信頼に基づいて監督業に進出し、優れた作品を世に問うたのが、田中絹代をはじめとした女優たちである。今回の上映会では、これまで「女優監督」として紹介される機会が少なかった望月優子と左幸子の作品を上映し、フェミニスト映画史を牽引する登壇者によるトークを行うことで、労働運動や人種など社会問題をみつめた両者のキャリアに光を当てる。 【「日本映画における女性パイオニア」プロジェクトとは】 映画——とりわけ大予算の商業作品——製作における女性の進出の遅れは「セルロイドの天井」と呼ばれ、映画業界でのセクハラ告発が起爆剤になった#MeToo運動の高まりとともに、グローバルに問題化している。「日本映画における女性パイオニア」は、こうした「もっと女性を!」という思いを共有しつつ、これまでの映画史のなかで忘れられ、軽視されてきた女性の作り手たちによる仕事を発掘し、紹介するプロジェクトである。 【監督紹介】 望月優子(1917-1977) 軽演劇、新派、新劇の舞台を経て、『四人目の淑女』(48、渋谷実)で映画デビュー。『日本の悲劇』(53、木下惠介)に主演し、毎日映画コンクール女優主演賞を受賞。『晩菊』(54、成瀬巳喜男)、『米』(57、今井正)、『荷車の歌』(59、山本薩夫)と多様な母親役を演じ、とりわけ農山漁村の働く母のイメージを象徴する存在となる。『海を渡る友情』(60)以下3作品を監督、テレビ作品の演出も手がけた。1971年に社会党の公認を得て参議院議員に当選、一期を務めた。 左幸子(1930-2001) 富山県出身の女優・監督。戦後演劇活動と教師の二足のわらじを履きながら、52年新東宝『若き日のあやまち』(野村浩将)の主役で映画デビュー。日活の『女中ッ子』(55、田坂具隆) や『幕末太陽傳』(57、川島雄三)などのエネルギッシュな演技で注目された。62年にフリーになり、当時夫だった羽仁進監督の『彼女と彼』(63)および『にっぽん昆虫記』(63、今村昌平)でベルリン国際映画祭女優賞を日本人初受賞。作品はほかに『飢餓海峡』(65、内田吐夢)『軍旗はためく下に』(72、深作欣二)など、 主演・監督した『遠い一本の道』(77)。戦後を代表する女優の一人となった。 【上映作品紹介】 『おなじ太陽の下で』(1962、16mm、50分) 在日米軍兵士と日本人女性の間に生まれた「混血児」として施設で生活する児童が、地元の小学校の普通学級に通いはじめるが、警戒する周囲の日本人たちから孤立し、いっそう傷ついていく―。前作『海を渡る友情』の、故国への帰還を「望ましい解決」とした結末に対し、本作では混血児を「日本人」として社会に包摂する必要が訴えられる。主人公の役は、映画と同様の境遇で施設で生活していた児童が演じた。 製作:東映教育映画部/監督:望月優子/脚本:片岡薫、望月優子/撮影:中尾駿一郎/音楽:芥川也寸志/出演者:上原二郎、ジェーン・コーリー、中村雅子、南廣辻伊万里 『海を渡る友情』(1960、35mm、49分) 望月優子の初監督作品。前年から本格的に開始されていた在日朝鮮人の帰国事業を題材に、朝鮮総連の支援も得て製作された。今は朝鮮民主主義人民共和国となった郷土への帰還を望む家父長(加藤嘉)と、異郷への移住をためらう日本人の妻(水戸光子)、そして自分を日本人だと信じて育ったため、父親の決めた「帰還」に激しく反発する小学生の息子(野口英明)の葛藤を物語る。 製作:東映教育映画部/監督:望月優子/脚本:片岡薫/撮影:中尾駿一郎/音楽:芥川也寸志/出演者:加藤嘉、水戸光子、野口英明、河口雄三、西村晃 『ここに生きる』(1962、35mm、40分) 全日本自由労働組合の委託により、当時国会で論議されていた失業対策事業縮小政策への反対運動の教宣映画として製作されたが、組合側には不評で、運動の場ではほとんど上映されなかった。女性、炭鉱離職者、被差別部落出身者など、失業対策事業に就労する多様な出自の日雇い労働者たちの生活を、記録的かつ抒情的な映像と語りで映し出す。朝鮮籍のカメラマン安承玟(アン・スンミン)による撮影が美しい。 製作:オオタ・ぷろだくしょん、全日本自由労働組合/監督:望月優子/撮影:安承玟(アン・スンミン)/音楽:伊藤翁介/ナレーション:矢野宣 『遠い一本の道』(1977、35mm、112分) 戦後を代表する女優左幸子が企画・製作・監督を務めた渾身の一作。日本の高度成長を支えた勤続30年の国鉄保線員とその家族が合理化に反対し、労働運動の中で葛藤する姿を丁寧に描く。北海道の大地を走るSLの映像とドキュメンタリータッチのインタビュー場面をファミリードラマにうまく取り入れた演出が秀逸。労働者の問題を妻や子どもの視点から「生活」の問題として捉えたフェミニスト左幸子の視線が光る。 製作:左プロダクション/監督:左幸子/脚本:宮本研/撮影:瀬川順一、黒柳満/編集:浦岡敬一/音楽:三木稔/出演者:井川比佐志、磯村健治、長塚京三、市毛良枝、西田敏行、殿山泰司、左幸子 【スケジュール】 11:00 開場 11:30 ご挨拶・イントロダクション 11:35 『おなじ太陽の下で』上映(〜12:25) 休憩 13:30 『海を渡る友情』『ここに生きる』上映(〜14:59) 15:10 『遠い一本の道』上映(〜17:02) 17:10 トークセッション(〜18:00) 登壇者:斉藤綾子・鷲谷花・木下千花(司会) 【登壇者紹介】 斉藤綾子 明治学院大学文学部芸術学科教授。映画研究(映画理論、フェミニズム映画批評、戦後映画など)。論文に「女が書き、女が撮るとき—日本映画史における二人の田中」『明治学院大学 藝術学研究』22号、2012年、13-31頁(https://bit.ly/3vuYSY6)。 鷲谷花 大阪国際児童文学振興財団特別専門員。映画学、日本映像文化史、昭和期の幻灯(スライド)文化史。共編著に『淡島千景 女優というプリズム』(青弓社、2009年)。 木下千花 京都大学大学院人間・環境学研究科教授。日本映画史、表象文化論。著書に『溝口健二論—映画の美学と政治学』(法政大学出版局、2016年)。 【注意事項】 ・新型コロナウイルス感染症への対応のため、参加ご希望の方は、必ず事前にお申し込みください。 ・感染状況により、定員を増やす場合があります。最新の情報は申し込みサイトよりご確認ください。 ・マスク着用のない方の入館をお断りします。 ・発熱や風邪などの症状がある方は、来館をお控えください。 【アクセス】 国立映画アーカイブ本館 〒104-0031 東京都中央区京橋 3-7-6 https://www.nfaj.go.jp/visit/access/ ・東京メトロ銀座線京橋駅出口1から昭和通り方向へ徒歩1分 ・都営地下鉄浅草線宝町駅出口A4から中央通り方向へ徒歩1分 ・東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅出口7より徒歩5分 ・JR東京駅下車、八重洲南口より徒歩10分 ※駐車場・駐輪場はありません。公共交通機関をご利用ください。 ※本プロジェクトはJSPS科研費20H01200の助成を受けたものです。 |