――すべてのセクシュアリティの子どもが取りこぼされない教育実践をしたい。
そのように志向する方は、少なくないでしょう。

しかし、そんな実践をするのは、なかなか難しい。
あらゆる子どもが、そして実践をする大人が身のまわりの〈性〉について問い直し、じぶんごととして考えることのできる実践は、どのようにしたらできるのだろうか…。
 
本書は、そんな性教育実践を志した3人の教師たちに着目し、かれらの語りから教育実践における、実践者の葛藤や試行錯誤を描き出しました。

実践者は「当事者との出会い」を機に、自身の置かれる立場の「特権性」に気づき、自らのまなざしが問い直される。実践をやってみようと立ちあがる。時に他者(「当事者」)からの批判を受けながら、自身のまなざしと実践をさらに問い直す。そして、試行錯誤を重ねながら、実践をさらに育てていく。
そう、本書のタイトルである「気づく、立ちあがる、育てる」とは、「クィアペダゴジー」を構成し、再構成するプロセスそのものなのです。
1980~1990年代の性教育実践に取り組んだ3人の教師たちの語りには、今日の性教育実践にも通底する性教育実践のエッセンスが凝縮されています。

すべてのセクシュアリティの子どもが取りこぼされない教育実践をしたい。
性教育実践研究、民間教育研究運動研究、性的マイノリティ運動研究を架橋する著者・堀川修平の思いが詰まった1冊です。

◆目次
第1章 「自己紹介」としての研究的位置づけの紹介

第1部 気づく
第2章 「普通」の人たちにとっての同性愛者
第3章 画期としての1987年と同性愛プロジェクトの誕生

第2部 立ちあがる
第4章 認識を変えるきっかけとなった「アンケート問題」
第5章 「私は、エゴイストでナルシストです。」―木谷麦子の問い直し
第6章 「カルチャーショック」と女性の自立―原田瑠美子の問い直し
第7章 「そこに生きる人たち」と科学との乖離―貴志泉の問い直し

第3部 育てる
第8章 「アンケート問題」以降における同性愛プロジェクトの活動
第9章 子どもたちへ伝える知/子どもたちと問い直す知―クィアペダゴジーの萌芽


◆書誌データ
書名 :気づく 立ちあがる 育てる ―日本の性教育史におけるクィアペダゴジー
著者 :堀川修平
頁数 :264頁
刊行日:2022年6月1日
出版社:エイデル研究所
定価 :2,420円(税込)

気づく 立ちあがる 育てる ―日本の性教育史におけるクィアペダゴジー

著者:堀川 修平

エイデル研究所( 2022/06/01 )