
著者は仙台出身で68歳。東京で会社勤務の傍ら長年にわたり、市民運動の裏方役(広報紙を発行するなど)として地道に活動。十三年前に長野県内へ移住後はブドウやリンゴなど果樹農業で生計を立てながら、3・11以後の脱原発への取り組みを着実に続けている。
プーチン・ロシアによる理不尽なウクライナ侵攻で胸が痛む日々だけに、『非暴力という希望』という書名に一筋の光明を感じる。青山さんは「故ガンジーさんの『平和への道はない。平和こそ道なのだ』という彼の思想は、私たちの日々の歩みと暮らしの中にこそ平和があるべきだと教えてくれます」と説く。
青山さんは反原発運動にも関わってきた。長野県下での地道で着実な取り組みを紹介。須坂市の故・坂田静子さんは英国に住む長女の第二子の死産(再処理工場からの放射能漏れの影響と推測される)を機会に活動に参加。「原発周辺に放射能がばらまかれるなら、日本人は遠からず一億総ヒバクシャになり、私たちの子孫に未来はない」と公言。個人で反原発のチラシや通信を配布し、資料室を開設するなど草の根の活動を展開した。青山さんは彼女の遺志を受け継ぎ、農作業の合間に反原発の活動に参加。福島原発事故被災地の子どもと親を招く「サマー・キャンプ」を毎夏、企画している。
「平和と非暴力」を半世紀近く追求し続けてきた当今稀な人生記録、と言ってよかろう。
目次の概要
<第一章>新たな生き方をめざして――東京から信州へ、新たな農業生活、そして深い縁からつながった今
<第二章>いのちと非暴力をめぐる旅への誘い
<第三章>市民の声と希望を伝え続けた「ピースネットニュース」の紙面から
■書誌データ
書名 :『非暴力という希望――いのちを最優先する社会へ』
著者 :青山正
定価 :2200円(税抜)
頁数 : 307頁
刊行日:2022/5/12
出版社:同時代社
判型:四六判
慰安婦
貧困・福祉
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身体・健康
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LGBT
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