女の本屋

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プロレスは、基本的には芸術だと思います 『1993年の女子プロレス』 柳澤健

2011.08.29 Mon

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. 偶然なのかもしれないが、長与千種の名前を最近よく見聞きする。島崎今日子さんのエッセイは、2003年に初出なので、まだ長与が立ち上げたガイアが存在していた頃の描写だが、長与千種はずっと、女子プロレスを愛して、プロレスで自分を磨き、自分を表現して、そしてそれを言葉にできる人だと感じてきた。

残念ながら、わたしは遅れて女子プロレスに魅せられたので、1993年当時を知らない。しかし、あとからビデオやYou Tube で彼女たちの、鬼気迫る死闘を見るにつけ、ブル様、アジャ、そして長与と全日本女子プロレス全盛期を支えてきた彼女たちに夢中になった。ブル様以外は、数年前までまだまだみな現役で、全女時代の25歳定年制などといった慣習を、すっかり古ぼけたものにしていた。

本書は、ブル中野から広田さくらまで、全女に深くかかわってきた13人のインタビューである。プロレスラーってこんなに語るのか、と驚きもしたが、でも、長い全女の歴史を築き、背負ってきた人たちだから、これでも語り足りないぐらいだろう。試合を語る口調はとにかく熱いし、本書の最後に付けられた年表(「女子プロレス激闘史」)を見ながら、それぞれのインタビューを読むと、一緒にその歴史を歩んでいる気分にもなれる。

残念ながら、北斗晶のインタビューは再録されなかったようである(もとは、雑誌での企画インタビューを集めたのが、本書だ)。でも、デンジャラス・クイーン北斗晶の苦闘を綴った最終章も、最終章に相応しい燃え尽き感がよくでている。

「リングって八方にあるんですよ」という言葉のあとに、「プロレスは、芸術」と語る長与(378頁)。4次元っていうのはまだ分かるけど、8次元か?プロレスは。すごいです。プロレスを政権交代が起こった総選挙に譬えたり、プロレスラーを三国志の武将に譬えたり。世界がプロレス中心です。

ちなみに、わたしはマイク・パフォーマンスがあまり得意でなかった、飛翔天女の豊田真奈美の「私はしゃべれないぶん、それに対抗して試合で表現しようとしていた」という言葉に(142頁)、まだまだ現役を続ける豊田のプロレスへのまっすぐな気持ちが垣間見えて、うちふるえた(moomin)。

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著者・編集者からの紹介 島崎今日子『〈わたし〉を生きる』








カテゴリー:わたしのイチオシ / moomin

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