2011.09.09 Fri
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. 山崎ナオコーラ曰く、書き下ろし小説集の本書(元のハードカバーのこと)について「雑誌に載せないので気兼ねなく、自由に、遊び心満載に、ふざけにふざけました。でも手は込んでいます」とのこと。
収められている14の短編はそれぞれ違うけれど、微妙に重なってもいる。
たとえば、最初の「論理と感性は相反しない」のカップルは、最後から二つ目にも登場するし、八番目の作品「ブエノスアイレス」では、三番目の「プライヴェートをなくせ」の主人公(女性)と最初の話のカップルの女性が一緒にブエノスアイレスに旅行に行く。
その最初の話の女性のアンチポデス(自分と反対側の存在)が出ていくるのが「秋葉原」。
その他「人間の出てこない話」もあれば、バンドの話もある。
三年後に出された文庫版の著者によるあとがきには、「若書き」だとか「ふざけ盛りの感性は、片鱗も残っていない」とある。
でも山崎ナオコーラの作品の魅力は、ふざけていることと真剣さ(真剣にふざけることではありません)が併存していることにあると思う。
ペンネームも「ナオコーラ」だしね。論理的な文章を書くのを生業としているわたしは、常に論理的な文章を書きながらふざけたいという衝動に駆られている。(lita)