エッセイ

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特集 「女同士のつながり」が始まります 岡野八代

2011.11.18 Fri

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. かつて、牟田和恵さんとドゥルシラ・コーネル 『女たちの絆』を翻訳したとき、原著のタイトルである Between Women and Generations をどのような言葉で表現しようかとずいぶん悩んだ。

本書を貫いている一つの大きなテーマは、コーネル自身の祖母、そして母の3世代にわたる女性たちが、それぞれの時代に抱えていた葛藤を、いかにフェミニストとしてのコーネルが受け止めるのかということであった。

とくに、母自身の苦しみをなかなか理解し得なかったコーネル自身が、母の死の間際になってようやく母と和解するシーンは、訳しながら涙を抑えることができなかった。それは、わたし自身の母親との関係を投影しながら、コーネルの気持ちを想像していたからかもしれない。

「この本でわたしが望むことの一つは、わたしたちにとって最も親密なはずの母と娘の関係の中に尊厳を取り戻すことによって、世代をまたがって繰り返される怒りや恨みを越えるための道を見いだすことだ」[xiv]。

「わたしは読者に、他の女性の尊厳を侵害してはならないというこの教訓を伝えたが、それはただわたしに受け渡されたものである。欠落と沈黙、失われた夢と実現された夢、亡霊と秘密についての物語をわたしは語った。わたしがこの遺産のおかげで書くよう刺激され、またじっさい書くことができるようになったのは間違いない。もちろん、祖母と母の与えてくれた影響は、二人が意識的に教えてくれた教訓や伝えてくれた価値観以上のものだ」[41]。

わたしにとって、女同士のつながりのなかで、母との関係はやっかいな問題の一つである。コーネルの本書を読みながら、素直に直視できない母の来歴に尊厳を見ることの大切さを学んだ(が、実践できないところが、母との関係では苦しい点である)。

B-WANではこれまでも、女同士のつながりを論じた本や漫画、映画などを紹介してきましたが、今回思い切って特集として焦点化してみようと思います。

第一弾は、杵渕里果さんの書評論文「共依存の母娘関係にDVをみる」が4回にわたって連載されます。

今後は、本や映画に関する記事だけでなく、さまざまな女性たちのつながり方をエッセイや座談会といった形でも紹介していきたいと思います。

乞うご期待!

なお、本特集については、みなさんからのエッセイも募集しております。

800-1200字程度で、本や映画、漫画などにまつわるエッセイをbwan(アット=@に変換してください)wan.or.jp にメールにてお送りください。

お送りのさいには、名前(非公開)、お住まいの地域(任意=非公開)、年代(任意=非公開)、連絡先(非公開)、

そして、記事で用いる書名(ハンドルネーム、ペンネーム、ご本名いずれもOKですが必ずお願いします)を必ず

記入してくださいませ。

なお、お送りいただいた記事については、後ほど内容について問い合わせをする場合、またwanに掲載するにはふさわしくない内容と

判断させていただく場合もございますので、あらかじめご了解ください。

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カテゴリー:女同士のつながり / シリーズ

タグ: / 女同士 / 母娘関係 / フェミニスト / 岡野八代