2023.05.29 第二回アドバンスコースレポート

鴨谷香
 4月から始まった2023年度WANフェミニズム塾アドバンスコースの第2回が5月29日に実施されました。なんと、3時間50分に渡り15名が1年で取り組む研究計画を発表するという熱い時間。オンラインで全国から集まった20代〜70代が「やりたい!」テーマについて5分で発表し、上野先生と受講生から5分でコメントを頂くという形式です。
2023年度は現在22名の受講生がおり、7名は4月に発表済みです。今回の5月開催で全ての受講生が発表をすることができました。テーマは当事者研究、組織の事例研究、理論研究と幅広く、アプローチもインタビューから文献整理等様々です。
私は今回司会進行という役割を頂き、必死で「あと1分です!」とか「あの、そろそろお時間が・・」と進行していました。事前に上野式ゼミを少しでも体感してやろう!参加している意義を深めよう!と思い「情報生産者になる」の「司会の役割」に念のため目を通し、「ふむふむ、限られた時間資源の中で重要な論題を適切に配分し、議論の流れをつくる」か、そのために何ができるか、を考えて準備をしたつもりでした。 実際の時間は「問いは何か!」「それはどう意味?」「これ読んだの?」言葉が次々あふれてきて、もっと説明したいし聴きたい!という気持ちが受講生からも先生からも感じられて、時間告知をはさむのにさえ苦労しました。そして・・とても面白かったです!リカレントとかリスキリング等が注目されつつある昨今ですが、こんなに本質的な学びを受けられる機会はそうそうないのではないか。「上野先生から学び、情報生産者になるぞ!」と思いつつ、「うう、研究ってどうやったらいいのだ!」と右往左往しながらも諦めない受講生たちに、上野先生の厳しく優しいご指導が繰り返され、はっとさせられます。情報を発信するための枠組みや考え方を本質的に学べる事は人生においてなんて貴重なのだろう、と実感しました。まだまだ始まったばかり。ほとんどの方が書き直し再提出に臨みます。私も絶対に書き上げたいと、気持ちを再度強くしました。今後のアドバンスコースの取り組みも応援、ご注目ください!


大須賀あい
 今、私は眠い目をこすりながら、このレポートを書いている。昨夜の講義は、約4時間。計22人の受講生のうち、15人分の研究計画書の発表に神経を研ぎ澄ませ、終了後は各受講生と上野先生宛にコメントシートを作成して送り、記録係を担った私はさらに講義内容を議事録としてまとめ、指定のドライブにアップ。気が付けば午前4時を過ぎていた。2時間の睡眠の後、子どもたちを起こし、朝ごはんを作り、洗濯を済ませ、仕事へ向かい、夕方には買い物に行き、ご飯をつくり、残った仕事を片付けて、またパソコンに向かっている。これが、2023年度に新設された「WANフェミニズム塾アドバンスコース」の実態だ。「なんて恐ろしい!」と感じる方もいるだろうが、全く苦ではない。むしろ、良い疲労感と充実感でいっぱいなのである。
第1回目と2回目は、事前提出した研究計画書の発表で終わった。ただ発表するのではない。上野先生から、容赦ない辛辣な言葉が飛んでくる。「で、何が言いたいの?」「むちゃくちゃですね」「着地点は?」………。ZOOM画面に、顔面蒼白な受講者の顔が並ぶ。「この研究計画書は、使いものになりませんね」と、ほぼ全員に告げられ、皆、奈落の底に落とされる。もちろん私も、その1人だ。こう書けば「なんて恐ろしい!」と、また思われるだろう。しかし、怖いだけではないのが上野先生なのだ。的確なコメント、受講者全員をどうにか最後まで導きたいと透け見える姿勢、厳しい言葉の中に滲み出る愛。そんなでっかい「愛情」に包まれながら、自ら問いを立てた問題に対し研究するのは、楽しい作業でしかない。強いて言えば、眠いだけである。その眠気も、上野先生という大きな存在が放つ、魔法がかった言葉がふっ飛ばしてしまうのだ。
同コースへの受講は、年齢や学歴、所属を問わない。勉強や研究を、大学、または大学院でしかできない壁をぶち壊し、あらゆる人を受け入れ、本物の学びを提供してくれる。こんな恵まれた場所は、日本各地を見渡しても他にないだろう。「自ら情報生産者になる」。そう決めた私、そして全受講者に、明るい未来あれ。

第一回レポートhttps://wan.or.jp/article/show/10703
第三回レポートhttps://wan.or.jp/article/show/10714