2023.06.26 第三回アドバンスコースレポート

山内 浩美

 初めての書記、ドキドキしながら準備を始める。フェミ塾ACのGoogle Drive管理担当者が、すでに、当日の日付のフォルダに必須記載項目が入った記録フォームを作成してくださっていたので、クリックして立ち上げただけで記録を開始でき、記入したフォームが即座にメンバーに共有される仕組みになっていた。フェミ塾ACの円滑な運営は、煩雑なバックヤード業務を担ってくださっている、庶務、Zoom管理、Google Drive管理担当者の尽力の上に成り立っていることを改めて実感した瞬間であった。
 上野先生のコメントを、記載していく作業によって、普通に聞いていたら聞き流してしまうことまで、より明確に受け取ることができた。今回、書記をしながらいちばん心に残ったコメントは、「目的は?。この研究テーマは何のため?。研究対象となっている機関の設置目的は、〇〇のため。研究テーマを通じて、〇〇に何がもたらされるかということが最終目的で、そこを忘れないこと。」という言葉だった。
 研究者のあるべき姿とは、自分の興味関心に沿った研究を楽しみながら、研究成果や専門スキルを、社会にプレゼントすることに喜びを感じる人なのだと思う。大学退職後に、フェミ塾ACで無償ボランティアで指導してくださっている上野先生は、まさに研究者のあるべき姿を私たちに示してくださっている。


三浦 由佳
 「似る」とは恐ろしいことである。ガテン系の看護師だった私は、最近は中途半端に学歴 が上がったせいで「先生」と呼ばれる立場になった。
「先生」の私は学生が主催するカンファレンスで、「発表は1人5分、発表する内容は要 約すること、もたもたしないで司会の人は時間管理をするように。」と言い、いざカンファ レンスが始まり「先生からコメントをお願いします。」と言われると、「先生」の私はさも それらしいことを眉間にしわを寄せながらコメントし、それを学生も関係者も神妙に聞いて いるのだ。
今回 wanac で司会をして画面越しに受講者と上野先生の姿をぼんやり見ていると、私と学 生のカンファレンスの光景が重なっていることに気づいた。つまり、学生の前で偉そうにコ メントをしている「先生」の私は wanac では司会をしている学生と同じように「先生」に怯 え、そして時間管理に必死になっているのに対し、wanac の「先生」上野千鶴子はどこ吹く 風で眉間にしわを寄せおごそかにコメントをし、私はその言葉を神妙に傾聴しているのである。
この光景を目の当たりにした私はぞっとした。知らない間に実生活において上野千鶴子が 憑依するようになっていたことが今回の司会を通してわかったからだ。とはいえ、学生指導 において今さら優しい「先生」にシフトすることなど性格的に無理なので、このまま憑依し たままでいくしかないのである。 「情報生産者になる」の「司会の役割とは」では、「司会者の役割は、時間資源を有意義な 議論のために有効に使う」とあり、有意義な議論とは「報告者にとっても、聴衆にとっても、 報告だけでは得られないプラスアルファの発見に導くような議論」とされている。そのため、 私は司会者として最低限これらを心がはしたものの、その成果は不明である。次回はさらに 入念に準備をして挑みたいと思う。そしてリアルの世界でも学生指導で同じことを憑依した ままで学生に伝えていきたいと思う。


第一回レポートhttps://wan.or.jp/article/show/10703
第二回レポートhttps://wan.or.jp/article/show/10645
第四回レポートhttps://wan.or.jp/article/show/10754