甲斐一再 9月3日講義レポート
前回のWANACのゼミを終えたときには、その週末に行われる講義がどんな体験、どんな学習になるか想像出来なかった。
アナウンスされていたのはうえの式質的分析法を対面で学べると言うこと。事前に配布された資料に目を通し、上野先生の著書の「情報生産者になる」のページをめくる。私に出来るのかという不安が膨らんで途中で逃げたくもなったが、上野先生と研究仲間に会えるという期待でなんとか持ちこたえて会場に到着。
先生が会場入りされて、レクチャーを20分だけうけたら早速インタビュー開始。この日参加したメンバーの多くはインタビューするのも受けるのも記録するのも、こうした調査の経験が殆ど無かったため、最初に記述したデータはお世辞にも良いものとは言えなかった。先生からも「これじゃ使えん!」とのお叱りを受けた…。
記述をやり直しながら「意味のある分析結果が得られるのだろうか」そんな不安を抱えたまま、先生の導きで分析を続ける。
するとどうしてだろう、あんなに不安を感じていたデータから新たなストーリーが見えてくる。当初私たちが想定したものとは全く違った「出口」がそこにはあった。
あくまで分析対象はインタビュイーの語りのみ。言葉として語られたもの以外はふくまれない。それがうえの式にかかって、見えなかったものが見えるようになったのだ。
上野先生たったおひとりで18人の参加者を8時間ほぼ休ませる事無く頭と手と身体を動かせ続ける指導力に脱帽。私はその瞬間はついていくだけで必死で、そんなことに気付く余裕もなかったが、あとになって思えばそれは先生のずば抜けた「場のホールド力」によるものでもあるのだろう。
5チームのテーブルを絶えず周り、その都度その都度バシっ!バシっ!と鋭い指摘と分析を決めていく。休ませない。目で見て手を動かし身体を使う、これをひたすら続ける。
私たちが躓き、失敗しても適確な足場掛けで次のステップに誘ってくださった。おかげで完全なフロー状態のまま8時間を走り抜けることができた。
このような講義を受けられた事に感謝と感動をしている。
うえの式では「データをしゃぶりつくす」。私がこれまでやっていたやりかたでは半分、いや、1/4も分析出来ていなかったのではないだろうか。もう一度修士の時のインタビューデータの分析をこの方式でやりたい、仕事でやったあのデータ分析も再度しゃぶりつくせないだろうか、そんな事が頭の中をずっと巡っている。
この日学んだのはあくまで「簡便法」と前置き付きではあったが、なにも持たない私にとっては大きな武器となった。びっちりとったノートは私の宝物。まずはこの武器と宝を手に目の前の敵(データ)をやっつける第一歩は踏み出せそうである。
2023.09.03 レポート 小野充
待ちに待ったこの日。
9月3日日曜日、KJ法の講義を上野先生から直接ご指導頂ける!
ワクワク、ドキドキがとまらない。
この日を迎えるまでに、私は研究計画書がまとまらず大苦戦をした。
3回もリベンジ発表をさせてもらい、ようやく4回目の発表で上野先生からGO!をいただき、この日を迎えることができたのだ。
毎回、ついていけるか脱落せざるを得ないのか瀬戸際で、まさに綱渡りのようだ。
さて、立教大学の会場に入ると、アドバンスコース参加者とはリアルで初めて会うことになるのだが、全く初めてな気がしない。
そりゃそうだ、既に5回も一緒にオンラインで対面している仲間だ。
「あ、〇〇さんですよね?」
「あの論文内容、すごいですね!」
「その節は、ありがとうございました」
「え、今日は、あさイチで新幹線できたんですか?前泊?」
会話が飛び交う。色々聞きたい。話足りない。
上野先生の講義は、上野先生到着後まもなく始まり、そこからは、ジェットコースターに乗ったように、凄まじい勢いで進んでいった。
ハードで、ハラハラするけど、とにかく楽しい!!
そんな感じだ。
「あんた、こんなの使い物にならないから、即書き換えて!」
「はい、今やって!!書いて!」
「え、こっちも、全然駄目じゃん!これも直して!」
と、先生のスピードに、必死で手を動かす。
時間も限られているので、とにかく、チームで話し合いしながら考え、手を動かし、考え、そして、手を動かす…をひたすら繰り返す。
最後、チームメンバーが素敵な発表をしてくれ、上野先生からは、
「このチーム、最初はどうなることかと思ったけど、しっかりまとまったわね」
と、お褒めのお言葉をいただくこともできた。
ひえ~、とにかく、まとめきれてヨカッタ!!
チームメンバーにも感謝です!
懇親会は、近くのベトナム料理へ。
「このベトナム風お好み焼きってなにかしら?」
「あ!あのパイナップル燃えてるやつ、なに?食べたい。」
上野先生の興味は、食に対しても全開でパワフルだ。
隣で、ビールを飲みながら、今後もふるい落とされないように、必死でやっていこう…と心に誓った夜だった。
第六回レポート https://wan.or.jp/article/show/10842
方法論ゼミレポート https://wan.or.jp/article/show/10802
第四回レポート https://wan.or.jp/article/show/10754
第三回レポート https://wan.or.jp/article/show/10714
第二回レポート https://wan.or.jp/article/show/10645
第一回レポート https://wan.or.jp/article/show/10703