昨今、人文学の世界で「ケア」という言葉がブームになっている。ヤングケアラーと呼ばれる子供時代を過ごし、現在医療職についている私(かにゃんこ)にとっても「ケア」という言葉は気になる言葉であった。
小川公代さん著「ケアする惑星」は、私たちの身近な本の物語に新たに「ケア」という視点を取り入れることにより、鮮やかに新世界を開いてくれる。新たな読み方、新たな知識、そしてタイトルにある「惑星」の文字で、今まで私たちの生きる世界でないがしろにされてきた「ケア」という営みにスポットライトを当ててくれているのを感じる。小川さんは「群像」(2020年8月号)に「ケアの倫理とエンパワメント」という批評を寄稿して昨今の「ケアブーム」のきっかけを作ったとも言える方である。今回の書評セッションでは小川さんをお招きし、コメンテーターには、出版経験2年の若手ながら編集者として「射精責任」を手掛け、フェミニズムの視点からも大注目されている文筆家の紫藤春香さんをお迎えする。
今まで光の当たることの少なかった私たちの「ケア」という営みを私たちの言葉で考えながら、自分自身のこととしての読書の楽しさを分かち合える会にしたい
◆日 時:2023年11月4日(土)19時~21時(予定、延長の可能性あり)
◆場 所:オンライン開催
◆定 員:100名(先着順)
◆参加費:
WAN会員         無料
WAN会員応援チケットA  3000円
WAN会員応援チケットB  2000円
WAN会員応援チケットC  1000円
WAN非会員(常勤職の方)   1000円
WAN非会員(常勤職以外の方) 500円
WAN非会員応援チケットA  3000円
WAN非会員応援チケットB  2000円
◆申込方法:
こちらからお申し込みください
→https://caringplanet.peatix.com/

10月8日販売開始~11月3日17時 販売終了
お申し込み多数の場合、お申し込みをキャンセルいただく事があります。
◆主催:WAN上野ゼミ
◆プログラム
1.コメント
 かにゃんこ
 紫藤 春香さん
2.小川 公代さんからのリプライ
3.質疑応答・意見交換
4.WANスタッフ紹介
4.まとめ(WAN上野ゼミ主宰 上野千鶴子)

◆登壇者
【著者】 小川 公代(おがわ・きみよ)
『ケアする惑星』(講談社)著者。上智大学外国学部教授。
英国ケンブリッジ大学・政治経済学部、英国グラスゴー大学・文学部(英文学)博士号取得
研究テーマは、今回取り上げる「ケア論」以外にも18世紀医学史・英文学研究・ジェンダー・クィア研究など幅広く手掛ける。
最新刊は『世界文学をケアで読み解く』(朝日新聞出版社)、そのほかに『ケアの倫理とエンパワメント』(講談社)、『別冊100分de名著 パンデミックを超えて』(共著、NHK出版)など。群像、医学界新聞、小説TRIPPER(トリッパ―)、ユリイカ、すばる、などに連載や寄稿多数。
X(旧Twitter):@ogawa_kimiyo

【コメンティター】
紫藤 春香(しとう・はるか)
 文筆家・編集者。複数愛者(ポリアモリー)。
「図書新聞」、横道誠編著『みんなの宗教2世問題』などに寄稿。
朝日新聞社「かがみよかがみ」山崎ナオコーラ賞大賞。
note『女の子なんだから勉強しなくていいよ、と言った父は死にかけるまで仕事をやめられなかった』。
萩上チキの新刊「もう一人、誰かを好きになったとき:ポリアモリーのリアル」(新潮社、11月刊)にインタビュー掲載予定。
X(旧Twitter):@chuck_abril17

【コメンテーター】
 研修医/元ヤングケアラー
「『助けて…』のその後で」(統合失調症のひろば 2020年春号)・「かき消されたCQと『こころ』という贅沢品」(臨床心理学 特集 大嶋栄子編「ケアの声を聴く」2022年11月号)に寄稿。
 WANのHPに連続エッセイ「助けてが届かない!(;;)」を執筆開始予定(初回は10月23日up https://wan.or.jp/essays) 
「マザリング」の著者である中村佑子さんの新刊「わたしが誰かわからない――ヤングケアラーを探す旅」(シリーズ ケアをひらく、医学書院、11月刊)にインタビュー掲載予定。
X(旧Twitter):@nekoneko_pop

【司会】 
永野 眞理(ながの・まり)(WAN上野ゼミスタッフ)
皆様のお申し込みをお待ちしております。