2012.02.24 Fri
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「美しすぎる」女と、男をめぐって彼女に敵対する「美しすぎない」女。それだけでも、フェミニズムがずっとテーマにしてきた「女同士の対立」が絵に描いたよう。でも、単なる女のいがみ合い物語なら過去にも数多にあったわけだし、その都度、女の性とか、女って怖い、とか、女に悲しみと傷のなめあい、その背後で密かに傷つかない男がのうのうと、みたいな展開になるような気がする(想像)。あるいは、ちょっとフェミ入ってたら、「男が悪い!」「女同士で復讐よ!」みたいな(想像)。とりあえずこの作品では、傷つかない男が、「密か」じゃなく描かれてる。不可視な存在からいきなり「敵対する存在」としてフェミ的に描かれるより、客観的に可視化される様子が、男女と性愛をめぐる二重基準の「おかしみ」みたいなのをよりリアルに伝えてるんじゃないかな、なんて思う。さらに、女性的価値の大小(これも娼婦的価値か主婦的価値かって話も昔からあるけど)が「女同士の対立」を産むと同時に、権力を持つ男性と、持たない男性との間にある断絶や対立みたいなのも描かれていて、女同士でも男同士でも、根本を同じくする構造によって、必要以上に「仲良くできないよう」にされてて、たぶんそのせいで誰かが得する社会、戯画的でいいんじゃないかな、と思いました。でも、残念なのは、ギャグのテイストがあんまり私好みじゃない。ハチャメチャな部分とシリアスな部分が、それこそ断絶してるような、海月姫なら上手くバランスいいと思うんだけど、関西的な笑いじゃないとか、そういうことかなあ。その辺は個人の好みで。傷のなめ合いになるのか、男への復讐になるのか、それ以外になるのか(←期待)、今後どういう展開になるのかは楽しみです(robierobie)
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