『分断されないフェミニズム―ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる』という本を昨年12月に出させていただきました。


手垢のついたフェミニズム・イメージに溢れる時代を過ごす中わたしが実際に出会ったフェミニズムは、しんどいものでもありつつ、知らない世界を知ったり、自分を見つめ直す機会になったり、共感や批判をくりかえし、時には距離を置きつつ、さまざまな方々と出会いにつながるものであったり。

日本のフェミニズムとは、とか、フェミニズムのなかの対立をどうこうできる何か、とかそんなたいそうな本ではないです。わたしのフェミニズムって、と誰かが誰かに気軽に話せるきっかけになったら、ぐらいの感じです。あと、分断「する」のはしかたなくても、誰かに勝手に分断「されたく」ない、って気持ちもあり。


そんなゆるやかな本としてよろしければお手にとっていただければと思います。

(すでに連載「個人的なフェミニズムーそこにあった、やわらかい政治」でもさんざん宣伝させていただいておりますが、あつかましくも著者編集者コーナーにも投稿させていただきたいと思います・・こそこそ)

『分断されないフェミニズム―ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる』
はじめに――オンナの呪いを解く
目次


第1章 女は連帯できないのか――フェミニズムとシスターフッド
 1 呪いを解く知としてのフェミニズム
 2 フェミニズムが見据えてきた「女同士」
 3 シスターフッドの発見――分断のメカニズムへの抵抗として

第2章 対話、問い直し、フェミニズム
 1 女性の活動への関心と縁
 2 平場という関係とその困難
 3 「対話」の工夫と調整
 4 他者との対話、自己との対話

第3章 フェミニズムの「呪い」と女の欲望
 1 フェミニストとしての自分を縛る「呪い」
 2 ロック文化とフェミニズム
 3 「エロ」はフェミニズムの敵なのか
 4 「酒場女子」をめぐるモヤモヤ
 5 フェミニズムか反フェミニズムかの二分法を超えて

おわりに――他者と適度につながり続けるために

分断されないフェミニズム: ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる

著者:荒木 菜穂

青弓社( 2023/12/18 )