2012.03.19 Mon
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本書は、なんとも魅力的な絵柄とともに、現代社会の事象を「なめる」ように描き出す著者が切り取った2000年代。こうして、なめ子的に振り返えられると、2000年代の空気のなんとも言えないいかがわしさが伝わってきます。冬ソナに代表される「純愛ブーム」、ハンカチ王子・ハニカミ王子といった「王子さまブーム」、スロー・ライフや、自分のオーラを見ようと必死のオーラブームなど。〈たしかに、たしかに〉と思わず、ぷっと笑ってしまう。
雑誌に2004年から連載されていた各コラム(漫画)の前には、出版を前に筆者によって撮影された写真と、一ページのエッセイつき。
これって、いわゆる「再帰的近代」ってやつ?と、『現代社会学』と銘打ったタイトルもまた、深遠な意味が隠されているようにも思えます。
未曾有の大震災、世界経済危機など、2010年代もまた深刻さが増しているのだが、あとから振り返ってみると、まったりとした日常のなかで、どこかで
深刻さが笑いとなってしまう、浮いた日本社会が見えてくるのかも知れません。
最終章「萌えトレ」は、step1からstep8 まで、萌え現象の学びをトレーニング。
笑いを誘いながらも、ちょっと物悲しい、まさになめ子の「日本社会」学です。(moomin)