ガングロはなぜ渋谷に現れ、そして消えていったのか!?

現在、メディアを席巻するギャル文化はどのようにして生まれたのでしょうか。
著者は、ギャル文化の中でも、90年代からゼロ年代にかけての渋谷に、
特異点のようにして現れた「ガングロ・ギャル」に着目します。

ガングロ・ギャルは、なぜ、突如現れたのでしょうか。
90年代、デジタル・テクノロジーが大きく発展し、コミュニケーション場がリアル空間からバーチャル空間へと移行する中、
渋谷を砦にリアル・コミュニケーションの美意識を最後まで守ろうとしたのが彼女たちでした。
その後、世界はバーチャル・コミュニケーション中心の新しい時代を迎え、とうとうガングロ・ギャルは消えていきます。
本書は、ガングロ・ギャルが残した記録と証言を取材し、新しいコミュニケーション・テクノロジーの成立という観点から、
ギャル文化の流れを大胆に読み解いていきます。
そして、それがビーチイズム(著者の造語です)にあったと結論します。
はたして、ビーチイズムとは何なのか。
本書を読めば、なぜ彼女たちがあのような姿形をとって、渋谷に現れたのか、その理由がよくわかります。
ぜひともご一読いただければ幸いです。

カバーにも使われている左の作品は、元・ガングロでもある、近藤智美「フリムンの踊り」(2021年 116.7cm × 91cm キャンバスに油彩)より。

◆書誌データ
書名 :ガングロ族の最期:ギャル文化の研究
著者 :久保友香
頁数 :368頁
刊行日:2024/7/9
出版社:イースト・プレス
定価 :3300円(税込)

ガングロ族の最期 ギャル文化の研究

著者:久保友香

イースト・プレス( 2024/07/09 )