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『妻帯仏教の民族誌  ジェンダー宗教学からのアプローチ』 川橋範子

2013.04.04 Thu

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.本書は、現代日本の伝統仏教が抱えるジェンダー不公正・不平等に挑戦する、仏教教団の女性たちによる改革運動を描いたフェミニスト民族誌である。

近年、男性主導型の仏教改革運動がメディアで脚光をあびることは多いが、女性たちの多様な実践や語りの綿密な記述は取り上げられることが少ない。

もし宗教が社会問題の修正に貢献すべきものであるならば、性差別の是正にも宗教は関与すべきである。しかし多くの場合、「社会に参画し貢献する」仏教からジェンダーの視点は抜け落ちてしまっている。

自らの公共的な役割を主張し社会的認知を受けようとする宗教者や宗教研究者たちの存在が際立つ一方で、ジェンダーの視座からの批判は男性である彼らの既得権をおびやかすものとして、「ゲットー化」されてしまう。

彼らには、まず女性たちの声に耳を傾け、自らが享受してきたさまざまな特権を自覚し、それらを学び去ることからはじめてもらいたい。

(著者 川橋範子)








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タグ: / フェミニズム / ジェンダー研究 / 宗教