女の本屋

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『時代を視る』 赤松良子

2013.04.14 Sun

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.「女性議員が増えれば、日本は変わる」と、WIN WIN を設立した著者が、自身が主宰する機関紙に9年間(2004~2012年)にわたって毎月発表していた「時事評論」をまとめたものである。

「時事評論」という分野は、これまでほとんど全てが男性の手によるものであったのではないだろうか?」

時事問題は男性の特権であり、女・子どもが論じるものではないという風潮が今でも存在しているかのように、この分野での女性の著書は少ない。

本書は、初めて女性の側から「時事評論」という分野の扉を開いた書であり、そのこと自体が、「より多くの女性を政治の世界に送り出そう」と活動を続けている著者の原点とも重なる。

土井たか子社民党党首が辞任した翌年の2004年1月から、2012年12月の民主党・野田政権解散までの9年間、目まぐるしく変わる政権交代を、女性の視点で論じた時事評論は他にはない。

政権交代劇の中での女性議員の動き、小泉チルドレン(ガールズ)、“女性は子どもを産む機械”発言など、男性の側から書かれることはないであろうテーマと視点である。

少女時代に戦争を体験し、労働省時代には男女雇用機会均等法を立案、国連公使、文部大臣、と豊富な人生経験を持つ著者の視野は実に広く、テーマは国内外の政治評論から東日本大震災、原発事故など社会問題にも広がる。

「二度と戦争をしてはいけない」という思いと、「女性が対等に生きていける社会を」という思いが随所にちりばめられ、著者の人間としての品性の高さが文脈から伺える評論集である。また、一貫して女性の視点を貫いた、女性の側からの時代の証言集でもある。(編集者 内田ひろ子)








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タグ:女性政策 / / 女性議員 / 女性の政治参加