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田中ひかる『生理用品の社会史: タブーから一大ビジネスへ』

2013.11.24 Sun

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.いまや日本の生理用品の性能は世界最高水準にある。しかし、半世紀前に使い捨てナプキンが開発される以前、日本の女性たちは、かなり不自由な経血処置を行っていた。

なぜ日本では長い間、生理用品が進化しなかったのか。そしてなぜ、短期間で進化を遂げることができたのか。また、日本では欧米に比べ、タンポンの普及率が低いが、これにも日本独特の理由がある。

実は、2011年11月11日は、使い捨てナプキンが誕生してから、ちょうど50年目にあたる記念すべき日だった。それにも関わらず、この日、一切のメディアがこのことに触れなかったことに、私は一抹の寂しさを感じた。なぜなら、生理用品に触れずして、女性の歴史は語れないと思っているからだ。たとえば、使い捨てナプキンが誕生していなければ、高度経済成長期の女性の社会進出はもっと鈍かったであろうし、生理休暇が形骸化した背景には、生理用品の進化があった。

これほど重要なモノの歴史について、私たちは知らなすぎるのではないか? そこでまとめたのが本書である。
第1章では、古代からアジア太平洋戦争までの経血処置の方法について、第2章では、生理用品の進化を阻んだ月経不浄視について、第3章では、50年前、日本の一主婦が生み出した使い捨てナプキンの元祖「アンネナプキン」のデビューと引退についてまとめた。第4章では、今日の使い捨てナプキンの性能と、使い捨てであるがゆえの問題点に触れ、愛用者を増やしつつある「布ナプキン」にも注目した。無責任な「使い捨てナプキン有害論」や、「経血不潔視」と「月経不浄視」の混同については、批判を行っている。最後に、欧米発の「レンタルナプキン」「月経カップ」「15分月経法」など耳慣れない経血処置についても触れた。

執筆中、あらためて感じたことは、女性と生理用品をめぐる環境には、その社会の月経観や女性観のみならず、政治や経済も反映されるということである。生理用品は、社会を計る指標といえよう。
(著者・田中ひかる http://www.tanaka-hikaru.com/








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