2014.03.28 Fri
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.フェミニズムの諸潮流については、本サイトをご覧の方はよくご存じと思いますが、その一潮流、「女の健康運動」 (women's health movement)について、テキストや講義で正面から知るチャンスは、今もあまりない気がします、いかがでしょうか?
直面する課題こそ社会的背景によって異なりますが、世界中の女性たちが、性や生殖など女のからだにかかわる知や制度や技術を、男が大半である医療専門家の管理から取り戻す実践――それが「女の健康運動」でした。
それが呼び名の印象ほどおとなしいものではないことは、本書でよくわかります。アメリカでは、女が自分のからだについての見方を革命的に変えるコンシャスネス・レイジングや、妊娠中絶を必要とする女性のための非合法ネットワークが展開しました。
日本では、1970年代のウーマン・リブの女たちの優生保護法改悪阻止運動や、「産む・産まない自由」をめぐる障害者たちとの論争、ピルの是非をめぐる議論という経緯があり、今日に至るわけですが、その後80年代以降の事件や展開が今にどうつながるのか、私自身ちゃんと理解しているとは言えませんでした。
女たちの真摯な、生身の実践、生き方そのもので問われた現代史が、ここにあります。社会の注目は中絶や避妊から、むしろ生殖技術の展開と選択の自由の追求へとシフトしていきましたが、女は、はたして自分のからだを自分に取り戻したのか。その現代史をひも解いて、あらためて問いを突き付ける一冊です。
※女自身による最初の、女のからだについての網羅的な本、OBOS(Our Bodies, Ourselves; 日本語版『からだ・私たち自身』)については、著書の荻野美穂先生が、以前WANに関連記事を投稿されていたことがありますが、その成立とグローバルな波及の経緯についても本書で1章を割いています。(編集者 十時由紀子)
関連記事はこちらから
40周年を迎えた 『OBOS からだ・私たち自身』 荻野美穂
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