エッセイ

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23年を迎えた重み 日本軍「慰安婦」問題に対する日本社会の変容 岡野八代

2014.06.12 Thu

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.1991年に故金学順さんが日本軍により慰安所で強制的に性暴力・性被害を受けていたと告発してから23年。2000年に、国際的な連帯の下に女性国際戦犯法廷が開催され、多くの事実関係が明らかになり、当時の国際法で裁いたとしても、昭和天皇をはじめ、日本軍の指導者たちは国際法違反であったという判決が出てから、14年がたちました。

しかしながら、1993年に政治家となってから、「慰安婦」の方々の証言をことごとく否定しようとする活動をしてきた安倍晋三が二度も首相になっていることにも象徴されるように、この問題は、解決に向かうどころか、日本社会ではさらなる否定の力が働いています。

今年2月には、1993年に発表された河野談話を「見直す」という菅官房長官の発言まで出て、国際社会における常識からみれば逆行するような事態が続いています。

河野談話の基となったのは、なにも「慰安婦」にされた方々からの聞き取り調査だけではありません。少なくとも二度にわたる政府の調査、公文書に基づいた当時発掘できた事実関係にも基づいています。その調査結果は、政府が主導して設立した デジタル記念館 「慰安婦問題とアジア女性基金」からすべて見ることができます。

そして、河野談話が出てから20年以上もの間、多くの活動家や研究者たちによって、さらなる事実--つまり、朝鮮半島だけでなく、フィリピンやインドネシア、中国、台湾などでの調査を通じた--が積み上げられています。

wan でもまた、「慰安婦」問題については、特集という形でさまざまな角度から取り上げてきました。

戦後レジームを見直す--つまり、日本軍が過去起こした戦争犯罪をなかったことにしよう--ことを政治的使命とする安倍政権に対して、再度wanで論じられてきたことを、以後10回にわたり振り返ってみたいと思います。

これまで、wan では、河野談話について以下のような声明や記事をあげてきした。

声明「河野談話」を再認識することで堅持し、「慰安婦」問題の真の解決を!(2012年9月7日)

[3/7]緊急院内集会「河野談話つぶしを許さない!」(2014年3月1日)

「河野談話の維持・発展を求める学者の共同声明」への賛同と周囲への呼びかけのお願い(2014年3月8日)

他団体が出した声明文が以下から読めます

http://www.war-women-rights.jp/

http://fightforjustice.info/?p=3120








カテゴリー:シリーズ

タグ:慰安婦 / 岡野八代 / 戦時性暴力 / 軍隊性奴隷制