2014.06.18 Wed
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.ひとり親家庭の子どもの相対的貧困率は50%を超えている、と指摘されるようになりました。2人に1人が貧困であると数字で言うこととその実際がどういうことなのかを理解することには大きな差があります。
私はさまざまなシングルマザーやシングルファーザーの話を聞いてきました。そして、働いても働いても状況がよくならず、疲れ切っているひとり親の状況を伝えることにしました。
深夜の居酒屋のダブルワークをしつつ、数時間の睡眠で早朝起きて部活に出る子のために早朝からお弁当をつくる母親。顔面がけいれんしていると言います。
DV夫から逃れたあと、子どもたちに出るさまざまな影響。ひきこもりや暴力。
つい最近でも、シッターズサイトを通した悲惨な事件に見られるように、子どもを預けて働くというところでも、保育園に預けられなければ働けず大きな壁ができつつあることを感じます。
ひとり親家庭の親と子どもたちの困難は、この社会のシステムの根幹にかかわっています。
なぜこれほどまでにシングルマザーが貧しいのかということをジェンダーの視点で伝えようとしました。その背景の構造が男性稼ぎ主システムです。労働市場からの賃金の面でもシングルマザーを不利な立場に追い込みます。そして所得再分配においてもシングルマザー・ひとり親は福祉は不十分で十分な再分配を受け取れていないのです。そして、男が長時間働くのが当たり前の社会では、シングルファーザーも男並みに働けなければ追い込まれていくのです。
どうしても伝えたかったのは、より不利な階層の女性たちであるほど、ジェンダーの意識は強く、「男性に扶養してもらおう」と考えてよりリスクの高い道を選ぶパラドックスについても及ばずながら触れました。
他方で、近年ひとり親と子どもたちの支援に動く団体やグループが増えてきていることも事実です。本書の中では、これらの新しい支援の在り方も多数紹介しました。
様ざまなご意見がいただければ幸いです(著者 赤石千衣子)。
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