2014.10.16 Thu
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. わたしは人から、「死ね」だとか「殺す」などといわれたことがありません。わたしは、日本人だし、女性だし、勤め先があって、大切にしている家族や友人がある。自分が名指されるわけでないとしても、自分が抗いがたく属しているカテゴリーをさして、日本から出て行け、とか、虫けら扱いされるような言動が、身の回りにあふれていること状態など、想像もつかないし耐え切れない。これまで、そういう状況に自分が置かれることを、想像することもなかった。
だけど、そんな想像もつかない、地の底が抜けるようなことが、毎週のように東京や大阪、そして、さまざまな、とりわけ今は、日本軍「慰安婦」制度=性奴隷制度に関するシンポジウムや写真展などの周りで、起きている。公共の場で、「殺せ!」と公言する人びとが、堂々と「自由に」デモンストレーションしていいことを、許している社会はおかしくないか。そんなことが日常であれば、そして、実際にある人びとにはそれが日常となってしまっているのでしょうが、それはぞっとするような経験のはずです。
そうしたことが、日常となるのであれば、自分がいやなことは、人にもしない、という人として社会に生きるルールの根本を破られているのではないでしょうか。そうでないと嘯くとしたら、それは、「殺せ!」といっている相手の人を、人として認めてないことではないでしょうか。
本書では、こうした素朴な疑問に、じっさいにヘイト・スピーチに晒された、あるいは、ヘイト・スピーチを批判する運動にかかわったひとたちが、それぞれの思いを込めて執筆しています。のりこえねっと共同代表の辛淑玉さん、上野千鶴子さん、北原みのりさんの「大爆笑女語り!!ヘイトを斬る!」が掲載され、また、在特会らによる朝鮮学校へのヘイト・スピーチ活動を「人種差別」に該当する不法行為と認定した判決についても、その概要を知ることもできます。
とはいえ、ヘイト・スピーチはわたしたちの表現の自由の問題や、発言と行為との関係など頭を悩ます問題であることも間違いありません。
そこで、次のような「女性・戦争・人権」学会のお知らせをお伝えします。
2014年10月26日(日曜) 京都の同志社大学烏丸キャンパス志高館にて、つぎのようなシンポジウムが開催されます。
午前11時から、自由論題発表 「「慰安婦」問題と「償い」のポリティクス」
午後1時30分から午後5時30分まで
「表現・暴力・ジェンダー」というタイトルで、まさにヘイト・スピーチの問題を考えます。
パネリストは、京都朝鮮学校襲撃事件裁判において原告側弁護士として尽力された上瀧浩子さん、女性差別、レイシズム、植民地問題を論じてこられた鄭暎恵さん、ジェンダー、セクシュアリティ、生命倫理を研究され、またヘイト・スピーチをめぐる活動をされている堀田義太郎さんです。
シンポジスト
上瀧 浩 子さん(京都弁護士会)
鄭 暎 恵さん(大妻女子大学)
堀田 義太郎さん(東京理科大学)
コメンテーター 文 京 洙さん(立命館大学)
《参 加 費》会員:無料、一般:\1,000-、学生/非正規労働者:\500-