2013.09.03 Tue
「おんなのためのミニコミ電子図書館」館長の満田康子さんはじめ、ドキュメントWANメンバーの強い熱意と努力のお蔭で、こうしてWANのサイト上にミニコミ図書館が実現しました。
「女 たちのミニコミをウエブ上に遺したい」というのは、NPO法人WAN発足当時から上野千鶴子理事長はじめ運営メンバーの念願でした。女たちが残した貴重な ドキュメントも、歳月が経つとともに失われていきます。一世代、二世代前の女性たちがどんな思いでどんな活動をしてきたのかを知るのに、いい図書館ができ たと思います。ご活用下されば幸いです。
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30年余り前に立ち上げたウィメンズブックストア松香堂では、「ウイメンズブックス」という女性の本の情報誌(WANミニコミ図書館に収録される予定です)を発行して、当時次々と出版される女性学やフェミニズム関係の本を、短い文で紹介していました。
書店のルートで扱われない女たちのミニコミも紹介しました。全国各地で出されていたミニコミは多種多様でしたが、どれも女たちの真摯なことばが詰まっていました。私は各地の図書館にも、そんなミニコミを定期購読して頂けるようにお薦めしました。
仕事はもちろん、活動をとおして沢山の女性たちとの出会いがあり、またグループ同士、おんなのネットワークができていきました。
そしてそれは、1986年から始まった「あなたがつくる 女のフェスティバル」の原動力にもなりました。この「女のフェスティバル」は、女性センターがまだなかった時代、草の根の女性グループが集まって、一年に一度国際女性デーに合わせて、女性運動、活動を繋ごうと開催していたものです。
全国から大勢の女性たちが京都に集まりました。助成や援助をどこからも受けずに、参加費とカンパだけで10年間も続けることができたのです。こんなネットワークの積み重ねがあって、WANの発祥地も京都だったわけです。
今の世の中は、便利過ぎて人と人との繋がりが却って希薄だと言いますが、WANの縁で繋がった女性たちとは、一つの大きな事業を作っていく仲間、いえ「同志」といえる深い繋がりを感じます。地域も世代も越えてこんな親密感は悪くないと思いませんか。
WEBという新しいかたちの情報発信装置を得て発足したWANは、女性情報の新しい発信基地として、女性の運動や活動を繋ごうとしています。WANは、今後、世代も国境も超え、ますます多様な拡がりをもって女たちの力になると私は信じています。
カテゴリー:エッセイ・ミニコミと私