2010.04.03 Sat
13日土曜日、名古屋市男女平等参画推進センターにおいてNPO法人参画プラネット主催のシンポジウム「DV根絶に向けて~DV被害者への切れ目のない支援体制づくりを目指して」を開催しました。当日は、飛び込みでの申し込みも20名以上あり、80名近い参加者で会場が埋まり、資料をあとから追加するほどでした。
第一部は、千葉大学教授の後藤弘子さんによる基調講演。
内閣府男女共同参画局女性の対する暴力に関する専門調査員会の委員でもある後藤さんは、調査委員会での審議にも触れながら、法や制度の視点から、日本の支援体制とDV防止策についてお話しされました。
第2部は、後藤さんに加え、警察庁生活安全企画課の警部杉田理佳さん、愛知県立大学講師の山口佐和子さん、名古屋市子ども青少年局子ども育成部主幹の原田恵理子さんがパネリストとなって、愛知県立大学教授の須藤八千代さんがコーディネートするパネルディスカッション。
なにしろ、この豪華なパネリスト!
杉田さんは、日本でただひとりDVを専門に担当する警部であり、山口さんは、アメリカの先進的なDV支援プログラムの実践事例を調査したDVの研究者、原田さんは知る人ぞ知る日本ではじめて「DV」という言葉を紹介しDV防止法の制定にも力を注いだ方だったそうです。
杉田さんは、なかなか知ることができない警察の本音をぽろり。「連携は、絶対必要なこと。だけど、警察は他機関との連携が下手。だから、支援団体は日頃から警察と顔の見える関係をつくっておくことも、うまく連携していくコツです」と、支援者と警察の連携を築く裏技を披露。
山口さんは、愛知県下のDV被害者が暮らしを立て直すまでにどんな支援が必要であったのかを調査し、その調査報告をしました。
原田さんは、名古屋市の配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画をもとに、名古屋市におけるDV被害者支援の現状を報告しました。
一人10分の持ち時間は、各パネリストの熱弁であっという間に過ぎ、3人のパネリストの発言が終わった段階ですでに終了時間間際。須藤さんの機転のきいたコーディネートで会場の参加者の方々のご意見を聞いて、会場ディスカッションは時間延長で行うことになりました。時間を延長してのディスカッションは、次から次へと手が上がるほど、熱気に満ちたものとなりました。会場には、DV被害者支援の立場の方もいれば、被害の当事者もいらっしゃいました。さまざまな立場の方々が一同に会し、DV根絶に向けてどのような支援体制をつくっていったらよいのかを考える機会になりました。
指定管理者NPO法人参画プラネットは、あいちモリコロ基金から助成をうけてDV被害者のための「暮らし復興」プロジェクトを行いました。そのうちの調査事業であるDV被害者のための「暮らし復興」調査は、前述の山口さんを中心に参画プラネットの「暮らし復興」調査グループが行いました。今回のシンポジウムは、その調査をもとに、ユニフェム日本国内委員会のエイボン・プロダクツ株式会社助成事業として、共催で開催しました。
カテゴリー:参画プラネット