『安全な中絶 医療保健システムのための技術及び政策の手引き 第2版』

・・・WHO（世界保健機関）日本語版のお知らせ・・・

WHO（世界保健機関）『安全な中絶 医療保健システムのための技術及び政策の手引き（『Safe

 abortion: technical and policy guidance for health systems – 2nd

edition』）』が2012年6月に改訂されました。2003年の初版から大幅な改定がなされ、人工妊娠中絶の方法についての技術的進展や研究成果とともに、人権分野での法制定・改正の進展や解釈の変革、リプロダクティブ・ヘルス／ライツの保障や妊産婦死亡の削減、保健システム強化等の国際協力の目標設定等の進展も反映されています。

日本で、安全な人工妊娠中絶にかかわる、当事者、教育・ジェンダー及び女性問題・司法・地方行政・社会福祉・青少年問題等関係者、医療機関や医学教育等の関係者、その他の公衆衛生の専門者、女性の健康分野の活動者、女性・若者・医療保健・人権に焦点を置く非政府組織、その他関連する市民社会代表者、主要な開発パートナー等々、一人でも多くの人に本書の内容を知ってほしいと思い、翻訳しました。本書では、人工妊娠中絶の方法についての国際水準、それを支える医療保健システムや法制度や人権基準が記載されていますが、いずれも日本の現状と大きなギャップ（刑法堕胎罪や母体保護法の存在、掻爬法中心の中絶方法で吸引法がほとんど普及していない、全身麻酔の多用、薬剤による中絶が認められていない、中絶の費用が高い、中絶が医療の中で特別扱いされている等）があり、これらを埋めていくために、多くの人と課題を共有できればと思っています。

第1章では安全でない人工妊娠中絶ケアの全体状況を概観し、第2章では外科的方法による人工妊娠中絶及び薬剤による中絶方法、並びに妊娠中期の中絶方法について推奨事項を示し、また中絶前の処置と中絶後のケアについての推奨事項を提示しています（要旨のBOX1～5に相当）。続く第3章では、安全な人工妊娠中絶のための医療保健システムの創設・強化を含めたあり方を、第4章では、人工妊娠中絶についての法律や政策面での課題を記述しています。

日本語版には、訳者だけでなく、阪南中央病院の医師加藤治子さん、きただ女性クリニックの医師北田衣代さん、ウィメンズセンター大阪の谷田寿美江さん、すぺーすアライズの麻鳥澄江さん、東京大学情報学環の水島希さんのコメントが掲載されています。

また、WHO（世界保健機関）による『Frequently Asked Clinical Questions about Medical Abortion（2006）』の全訳として『薬剤による中絶（Medical Abortion）臨床上の一般的な質問』の翻訳も完成しました。

すぺーすアライズでは、昨年、WHO（世界保健機関）による『Unsafe abortion, global and regional estimates of the incidence of unsafe abortion and associated mortality in 2008 (2011)』の翻訳版『安全でない中絶 全世界と各地域の安全でない中絶と安全でない中絶による死亡の推計（2008年現在）』の翻訳をしております。併せてご利用いただければ幸いです。

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□「安全な中絶 医療保健システムのための技術及び政策の手引き 第2版 Safe

abortion: technical and policy guidance for health systems – 2nd

edition』）」 1冊 1500円 冊

□「薬剤による中絶（Medical Abortion）臨床上の一般的な質問 Frequently Asked Clinical Questions about Medical Abortion（2006）」 1冊 500円 冊

□「安全でない中絶 全世界と各地域の安全でない中絶と安全でない中絶による死亡の推計（2008年現在） Unsafe abortion, global and regional estimates of the incidence of unsafe abortion and associated mortality in 2008 (2011)」 1冊 1000円 冊