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NPO法人参画プラネット☆ワールドカフェ「DVを考える-『パパと怒り鬼』を手がかりに」

2013.12.11 Wed

朗 読  伊藤静香 アサーティブ・サポーター

ファシリテーター  中村奈津子 ワールドカフェ・ファシリテーター
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自由にネットワークづくりができるカフェのような雰囲気の中で、オープンに互いの思いや知識を交換しあい、深め合う「ワールドカフェ」。今回は絵本『パパと怒り鬼』を手がかりにDVについて考える企画だ。
まず、伊藤静香さんによる朗読からはじまり、およそ40分間、参加者のみなさんは静かに耳を傾けた。
この絵本はノルウェー文化省・協会省の「児童文学賞」受賞した作品。実話に基づいて創作されたもので、両親と暮らす少年ボイが主人公。父親がDVの加害者であり、常に夫の機嫌をとりながら暴力に怯える母親の姿や、幼い子の戸惑いや恐怖心がリアルに描かれている。絵本にこめられた作者の気持ちをいっしょになって感じ取った後、3~4人のグループに別れ、中村奈津子さんがファシリテーターとなって「ワールドカフェ」へと進んだ。
第一ラウンドのテーマは「あなたは『パパと怒り鬼』のストリーにどんなことを考えたか」。
テーブルの上に広げた白い模造紙に参加者のみなさんひとりひとりが自分の思いを書き、同じグループのメンバーに伝えた。
「少年ボイの恐怖を感じて、胸が痛んだ」
「母親が守りたいものは何?ボイなのか、それとも生活なのかがわからない」
「現在、大きな社会問題となっているDVの問題を、道徳的な言葉で伝えるのではなく、
絵本でなら、自然にわかりやすく伝えられる」
といった感想が目立った。
約20分間話し合ったあと、第二ラウンドへ。半分のメンバーが他のテーブルと入れ替わった。次のテーマは「『人は変われます。変わろうと思えば(=この絵本の帯に書かれている、女優・東ちづるさんのメッセージ)』にあなたは何を思いますか」。
「人が変わるためには、まず気づきが必要」
「自己肯定感をいかに保てるか。それがDVの被害者にならないためには絶対に大切なこと」
「DV被害者=ボイの母親の心理がわからない。どうして加害者の夫から逃げ出さないのだろうか」
「この本はDV問題を何とかしようという目的が強すぎて、子どもたちにはわかりづらいかも・・・」
 といった活発な意見が飛び交った。
 今回は思いテーマを取り上げたが、DVをご自身が辛い体験として抱えてきた方や、早急に解決しなければならない社会的な問題として捉えている方、そして日ごろから子どもたちに絵本の読み聞かせを行っている方などが参加し、さまざまな立場から意見を交換することで、今の社会が取り組むべき問題点を整理するなど、有意義な話し合いの場となった。(中村設子)

<朗読した絵本について>
『パパと怒り鬼』  作/グロー・ダーレ
ひさかたチャイルド/2011年
全国学校図書館協議会
選定図書
日本図書館協会選定図書
ノルウェー文化省・協会省
「児童文学賞」受賞作品

カテゴリー:参画プラネット

タグ:DV・性暴力・ハラスメント / 女性に対する暴力 / NPO法人参画プラネット