2014.02.27 Thu
安定した市民サービスを受けるためにはどういう評価が必要か。あるいは自分たちが主体的に行っている活動(NPOの運営など)をする場合、より良い結果を生みだし、効果を継続的に波及させるために考えなければならないことは何なのか。
その参考になったのが、12月7日と8日にお二人の講師によって行われた「社会に活かす『評価の実践』」であった。
私自身、実はこの講義を受けるまで、「評価士」という専門家がいることを知らなかった。この資格を認定しているのは、2001年に発足した「日本評価士学会」だ。
自治体の事業や諸団体の活動などについて、評価を行うことで、世の中をより良く改善することを目指す専門家として、多くの地方自治体などで活用されている。
行政の要求と、市民がやっていきたい活動という、二つのベクトルを両立させ、ここに関わる人たちの欲求をすべて満たすのは難しいが、市民向けに、多くの市民が納得できるような評価を行うことの難しさもわかった。
まず効果は予測でしかないこと。限られた予算の中で、ある事業を実地したほうがよいとなった際、必要性の後に効率性、有効性の議論を段階的にやったほうがよいが良いという指摘は新鮮であった。
事業の必要性と有効性を行政にぶつけるのも大事であるが、公的機関からの業務委託で事業を行っている場合など、役所や公的機関が聞き入れてくれそうな要素を入れなければ、話が前に進んでいかない。
行政からの情報をきちんと取らなければならないこと、自分たちに情報ソースがない場合は、どのようにして必要な情報を集めるのかを十分に検討する必要がある。
いかに関心のある観点を盛り込んでいくか、やりたいことを100項目も盛り込む評価ではなく、評価によって市民の議論がわきあがる方向性に持っていくのが賢い方法なのだ。
何をどうやったらいいか、そうした視点を行政に提示することで、市民の意識はもちろん、市民の行動や行政の政策の方向性が変わっていく可能性があるのだ。
「数式で出てくる評価」ではないものを思考していくこと、つまり「こういう視点があったらよかったのではないか」というようなヒントがあれば、社会を動かせる可能性があるといえる。
これだけ多くの市民がいる限り、みんなが同じ価値観ではないのは当然だ。だからこそ、「自分たちはこういう価値観でやるのだ」ということを公言することが重要だといえる。
文章化する場合、このように価値観をいちばん先に示し(=欧米のように結論を先に 次に理由を書く)、どういう立場で評価をするのかというのを明確にすることである。
参加者のなかには、「三重県志摩市のクオリティのアップさせるために、観光について評価の視点を学びたい」、「学生時代に地方自治(公営交通)を学び、現在の自治体の政策に危機感を抱いている」、さらには「今、子育て中だが、これからの社会のあり方を考えたい」といった目的意識が高い方々が多く、講師を交えて活発な意見交換が行われた。
アカウンタビリティ=説明責任という言葉をよく耳にする昨今。特に民主党政権時代には、連日、マスコミで報道された事業仕分けの際に使われた。
だがよく考えてみると、評価という方法は、私たちの税金がどのように使われているのか、あるいは自分たちが現在行っている活動に、もしかして公的資金の援助が必要でないかと考えたときに、有効な判断基準や思考ツールとなりえるのではないかと思う。
カテゴリー:参画プラネット
タグ:女性運動 / 男女共同参画 / NPO法人参画プラネット
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