2011.02.10 Thu
「ぐるぐるに廻る 頭の隅で / 飛べない鳥は 祈りを忘れず」(JUDY AND MARY「あなたは生きている」)
10年以上も前から、この一節が頭に浮かばなかった日がどれくらいあっただろう。
この部分以外はほとんど覚えていないけれど、考え事をしながら歩くときはいつだってYUKIの歌声がどこからか聞こえてきた。
どうも私は考えすぎるきらいがある。どうしてもっと軽やかに生きていけないかなー、なんて、また考えている。
文章を綴ること、紡ぎだした言葉を紙に固着させてゆくこと。それは、腰を落ち着けて思う存分考えることから始まる。エッセイという体裁で配置された文字列から浮かび上がるものを冷静に眺めたうえで、そこに「何を浮かび上がらせてやろうか」という下心をほんの微量、巧妙に織り交ぜるしたたかさを私は持っている。と、同時に自分の手から離れていったエッセイたちがどこで何を浮かび上がらせているのか―私のしたたかな試みが成功する保証などどこにもないのだから―心細く思っているのもまた、事実である。
1年間、1人家族というエッセイを書く機会をいただいて、否応無くたちどまり日々を振り返る行為を重ねることとなった。ここで描いてきた情景は限りなく現実に近い。極めて個人的な心像をただ「垂れ流して」いるとも言えるだろうし、屈折した「自己表現」とも言えるかもしれない。はて、このエッセイがどう評価されるのか・・・それは私のあずかり知らぬところである。とはいえ、自分の名を掲げて書いている以上の責任はつきまとうわけで、「できることなら、あまり人様の目に触れてほしくない」だなんて倒錯したことを考えてしまう。だったら、書かなければいいのにね。私の悪い癖だ。
結局、今回もまた溢れんばかりの自意識を露呈するだけの恥ずかしい仕上がりになってしまったが、「うん、これが私の限界だ」と再確認して幕をひこう。
これまでご覧くださった皆様、どうもありがとうございました!!
久津輪
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