エッセイ

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【転載】報道されない被災地の人々の実態 二瓶由美子(福島)

2011.03.16 Wed

マスコミが報じない被災地の現状を伝える貴重なご報告です。是非広めてください!!

【以下転送転載は自由です。】

福島では、ガソリンも買えず、食料や電池も入荷しません。交通遮断だけでなく、首都圏の買い占めの影響もあります。ここで耐えなくてはならない人々、家族との連絡もつかず避難所で菓子パンの配給しか得られない学生たち、私はここで頑張ります。家にあった食料は、原発地帯出身でアパートに残っている学生に配布して歩いています(この際、私はこれまで絶対にできなかったダイエットができるぞ、ポジティブシンキングで)。

報道は、首都圏の停電情報ばかりです。高等学校が遺体収容所となり、生きていることだけが希望だと、暗い中水もなく、食料も最低限、せめて温かいお茶が飲めたらと願う人々がいることを思ってください。

福島の人々のために、祈ってください。 二瓶由美子

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避難所の中には、エコノミー症候群などへの注意喚起をしたり、ケアができているところとそうでないところ、とても差があります。もっとも安全性の高い新築の市役所を土日のみ避難所にし、あとは各所に分散させてしまうなど心ない行政のやりかたも気になります。

できるかぎり、現状を把握して発信したいと思います。

二瓶由美子

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福島市内も被災者がまだまだ避難所にいます。場所によってはまだ、ライフラインが復旧しません。食料や電池、生活用品がまったく入ってこなくなりました。ガソリンも買えません。懐中電灯をもっていない高齢者は、真っ暗な中で暮らしています。

東京と違って、鉄道が動かなくなることだけでなく、そもそも車なしでは生活できない地域が多いのです。輸送手段もなく、電気がないため病院も機能していません。

宮城は津波の地域はもちろんですが、内陸部でも報道される仙台以外にもたくさんの場所で、ライフラインが断たれています。

部分停電で騒いでいるメディアに腹が立ちます。地方に関するもっと丁寧(安否情報も含む)で親身な報道ができないものでしょうか?

いくつもの避難所に支援に行きましたが、女性の安全、こども、高齢者、障がい者への配慮は不十分です。ミルクのための水さえない所もあります。日に日に衛生状態が悪くなり、改善の方向に向かうものは何一つありません。

私は帰宅手段を失った学生たちと学内で一晩過ごしましたが、自宅に帰っても生活できません。川の水を消防団が汲んで配布しています。飲料水は自衛隊が給水しています。余震は一日中です。

報道されない地域の人々の実態を、みなさんから発信してください。

相馬出身の学生の中には、家族と連絡が取れない者もいます。安否を知る方法はないものでしょうか?

そして、原発です。安全性が十分に確認されないままに、東京電力に負けて、福島県民を犠牲にした原発政策、県の責任、それ以前の国策としての原発推進の結果です。福島市に避難している太平洋岸の原発地域の方々にとって、福島も郡山も安全ではなく、ここまできたら移動手段もなく、私たちはみな、行き場がなくなっています。

二瓶由美子

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できるだけ自分の目で確かめて、今後に生かせる情報を送ります。

昨日、避難所にいた学生がみな自宅に戻れて安心しました。家族に会えないことで辛そうだった彼女たちが、ぱっと顔を輝かせて迎えを待ち、母に抱きついていました。

まだまだ、原発地域付近出身の学生がアパートに残っています。短時間ではありますが、少しずつ商店が開き始め、小さな八百屋にイチゴをみつけました。短大に汲みおかれた水で洗って学生たちに届けます。こんな時こそ、小さな喜びが大切ですね。

やっと母親と電話が通じた学生が、母親と話をしてほしいと言いました。学生は、「お母さん自身が精神的に参っているので、だれか信頼できる大人と話せば落ち着くかと思ったのです。先生、ありがとう」と言いました。こんなときに母の気持ちを察して思いやれることが素敵なことだと思いました。

つながりを大切にして、しっかり乗り切ります。

福島市は、電気が復旧し、水道も18日をめどに復旧作業が進んでいます。一番苦しいのは津波被害にあった地域です。そして、原発地域からつぎつぎに避難されている方々が着のみ着のままです。

また、宮城県の津波地域、内陸部がライフラインが全部通じず、家族に連絡もできなまま避難所にいます。緊急通信の手段がほしいです。仙台は復旧しています。人口が多い地域からということも理解できますが、報道も過疎地域を後回しにしています。過疎地域こそ、子どもや孫を都会に送り出した高齢者が住んでいますので、通信手段が必要です。

よろしくお願いいたします。

企業支援で、これも必要だといま思いつくものは、乳児用のガーゼでしょうか?新生児の衣類もほしいです。赤ちゃんは自分の意思を伝えられないので、清潔を保てるように

乳児製品はどこにも配布していただきたいものです。

二瓶由美子

カテゴリー:震災

タグ:福島県 / 二瓶由美子