上野研究室

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潜入上野ゼミ・斬られに来るひとびと 木地雅映子

2011.11.28 Mon

ゼミの間、わたしの顔はニヤニヤしっぱなしだったと思います。

油断すると「ケケケケ」とか笑いそうでした。いやー、おもしろい世界があったものです。ここでは、言いたいことは、全部言っていいらしい。相手の心情を慮るとか、傷つけないやわらかい言葉を選ぶとか、一切しなくていいらしい。

上野先生の舌鋒は鋭い。弱点があれば突く。ツボがあれば押す。先攻研究がうんたらかんたら、こちらの知識が足りないところでは、どういうツボをどう押しているのか読めないところもありましたが、報告者さんたちの無意識的な『回避ポイント』を見つけ出し、首根っこつかんでそのポイントに顔押しつけてムリヤリ直視させるやり方は、「鬼だわっ」と感嘆せずにいられませんでした。手に汗握ってました。

日常の会話の中で、そういうことをされると、人は怒ります。

しかし、報告者として立つ人々は、もちろん怒ったりしません。

それをされに来ている。そういう非日常を味わいに、覚悟の上で、自ら進んで斬られに来ている。実にあっぱれです。

 

主婦の副業に小説家をしているけれど、あんまり繁盛してません。

常につきまとう評価は「痛い」です。「カサブタ剥がすような」とか「古傷に塩を刷り込むような」とか「HP削られるような」とか。あと「読むと鬱になる」とか。

そんなつもりないのになあ。なのでしょっちゅう、やめようかな、とか考えたりします。努力して、言葉を磨けば磨くほど、痛い痛い文句言われるというのは、フィードバックとしてはあんましよろしくない。主婦だし、食うには困らないし、わざわざ人のいやがることしてコゼニかせがなくていいよね、やめたやめた。

しかし、ここに来てみると、みんな嬉々として上野先生にカサブタを剥いてもらっているではありませんか。

人徳か? 人徳の差か!?

とりあえず、その辺の謎を解くために、できる限り参加してみようと思っています。

あと、もちろん、わたしだって斬られにいきます。ふだんセーブしている技まで出して、思い切り反撃を試みて、それをかーんと片手で跳ね返されて、

「ふふふ……10年早いわ。」

とか言われたりしたら……。どうしよう、すごい感動するかもしれない。

カテゴリー:うえのゼミ / レポート

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