2013.01.31 Thu
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. 男仕立ての思想、死ぬための思想、そしてその対極にある生き延びるための思想。
『フェミニズムって、やっぱりダサくて日常的で、「今日のように明日も生きる」ための思想なんです。じゃないと子どもを産んでいられない。』(本文p.285)
「今日のように明日も生きる」―『生き延びるための思想』初版(2006)で上野さんは、フェミニズムという思想をこう述べた。そして、わたしたちは3・11の大震災を経験した。その日から、今日のように明日も生きることが難い現実を目の当たりにした。そして今も、その現実は続いている。
この新版は、2011年7月9日、東京大学にて行われた上野千鶴子最終講義『生き延びるための思想 ~3・11の後に』を収録している。当初、3月15日に上野さんの同名の著書『不惑のフェミニズム』というタイトルで、最終講義が行われる予定となっていたが、震災を受け延期となり、タイトルは、2006年に書かれた著書『生き延びるための思想』となった。
わたしが初版で感銘を受けた「祈りにかえて」のなかにこんな一節がある。『フェミニズムは、この世の思想。この世を生き延びるための女の思想。人間が引き起こした問題なら、人間が解決できるはずである。』
わたしたちがともに紡ぎ、ともに繋いでいこうとする、大切なものはなんだろう。国のため、権力のため、名誉のため、失うことは厭わないと思えるものとはなんなのだろう。『わたしたちは生き延びるためにこそ、言葉と思想を必要としています』(本文p.360)
8・15そして3・11という人類の岐路に1度ならず2度立った私たちはもう、先送りできない。人間が引き起こした問題なら、人間が解決できるはずであると。
http://wan.or.jp/reading/?paged=6
堀 紀美子
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