2013.08.15 Thu
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ひさびさにフェミニズムの直球本を出した。第1部「<おんなの本>を読みなおす」、第2部「ジェンダーで世界を読み換える」。扱ったのは、第1部に5人の日本女性の著書(森崎和江、石牟礼道子、田中美津、富岡多惠子、水田宗子)、第2部に6人の外国人の著書(フーコー、サイード、セジウィック、スコット、スピヴァク、バトラー)。自分でいうのもなんだが、力の入った本になった。
「わたしの血となり肉となったことばたち」—そう呼びたい。自分の理論や思想の骨格をかたちづくり、血肉の一部になってしまったものを、どうやって自分から分離してそれと示すことなどできようか。思想も理論もその多くは他人からの借りものだが、借りものであることを恥じるに及ばない。もんだいは誰から、いかに、借りるか、ということだ。そして借りたらそれをいかにわがものとするか、なのだ。その中には外来の思想もある。輸入学問、と批判するひとたちには、スピヴァクの次のことばで答えたい。「ジェンダーは日本のおんなたちにとって外来語ではないのか?」という問いに介入して、彼女はこう言ったのだ—「誰のつくったものであれ、使える道具はどんなものでも使えばよい」と。
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