2013.12.29 Sun
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上野さんに泣かされる。これで何度めだろう。いや、いじめられたわけじゃない。「女たちのサバイバル作戦」―どんな世の中でも女たちは生き延びていかなければなりません―とエールを送り続けてくれる上野さんの言葉に、心を突き動かされたから。
上野さんの言説で、自分では言葉にできない重たい思いが明白になる。本を読みながら、頷いて笑って、涙を流す。そのたびに、私のこの思いは独りだけの思いじゃないんだと思えた。
日本のウーマン・リブが誕生して40年。本書はこの40年のあいだを、雇用と労働を中心に読み解きながら、日本の女がどう変わってきたか、そして今後、女が生き延びていくためになにを変えていかなければならないかが書かれている。今のままでは、生き苦しい。変えていかなければならないと痛切に感じる。女を研究し仕事をしてきた上野さんだからこその視点がある。女を弱者に読み替えてもいい。なんなら、男に読み替えてもいい。そのココロは、これからはそういう時代だから。競争社会から弾かれて、格差社会が拡大し続ける今に歯止めをかけたい、続けるわけにはいかないから。
「たとえ目の前の問題がただちに解決できなくとも、たった今の苦しみを共有してくれるひとたちがいることで、困難にへこたれないでいられる、問題に立ちむかう元気がもらえる―そうやって女たちは生き延びてきたのです。」(本文p.330)
自分のココロに正直に、上野さんからこのタイミングで、元気をもらう。くよくよと、くさってた気持ちを吐き出して、わたしの生き方、働き方を考える。わたしの明日を変える。
堀 紀美子
『女たちのサバイバル作戦』文藝春秋/2013年9月発行
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