2014.03.27 Thu
きっかけは、美馬のゆりさんのブックトーク『理系女子的生き方のススメ』だった。トークの中で、アメリカみやげのキーホルダーの図柄が「女子トイレも男子トイレもブルー」であると話したことだ。たしかに海外のトイレ標識は、日本のように女子トイレは『赤』、男子子トイレは『青』と色分けをされていなかったような気がする。日常の中でのこのような根拠のないルールは刷り込まれ「当たり前」になる。
実は、美馬さんがブックトークを行った会場である名古屋市男女平等参画推進センターつながれっとNAGOYAのトイレ標識は性別によって色分けをされていない。それは「市民との協働」でセンターの基本構想が練られた成果の一つである。センターの指定管理者として働いているわたしは、外部からの視察の際に誇りを持ってセンターのトイレが性別によって色分されていないことを説明していた。
では、各地のトイレはどうなっているのだろうか。性別によってトイレの標識が色分けされているのは日本だけなのだろうか。わたしは自分がこれから訪れる公共施設(特に男女共同参画センターや女性センター)のトイレをウォッチングすることにした。
第一弾は、名古屋市男女平等参画推進センターつながれっとNAGOYAのトイレ。
女子トイレも男子トイレも同色。
よく言われるのは「同じ色だと間違えて女性用のトイレに男性がはいってくる」という指摘。
でも、このように「女子トイレ」、「男子トイレ」と文字でも説明してあれば間違えないと思うんだけどねえ。
視察でよく関心されるのが「男性用トイレにある「おむつ替えスペース」。
「イクメン」が流行の今ではよく目にするけれど、2000年当時では、こういう発想自体先進的であった。これも「市民との協働」によってつくられたセンターならでは。
オストメイトや休養スペースも設けられた「多目的トイレ」はだれでも自由に使えて特別なスペースになっていない。(よくある障がい者用のトイレはなぜ鍵がかかっているのだ?!)社会的に弱いと言われている人が使いやすいものは、だれにでも使いやすいということが実感できる。
名古屋市では「色別の性別表記によりことさらに性別意識をもたせることを解消するために、男女平等参画センターを始めとする公共の施設におけるトイレ等の性別の色分表記のあり方を検討することを要望する」と2013年度の名古屋市男女平等参画審議会から意見が出されている(注1)。男女共同参画の拠点施設であるつながれっとNAGOYAのトイレはグッドプラクティスであろう。
残念ながらこのつながれっとNAGOYAの建物は、2013年3月30日をもって閉館される。だからこのトイレを使えるのもあと数日、見納めだ。
3月30日までにつながれっとNAGOYAを訪れた方、ぜひこの先進的だったトイレをご覧いただきたい。
注1)推進状況報告書(平成24年度事業実績)より引用すると、「2 男女平等参画審議会からの意見」として10ページ「目標2 男女平等・男女の自立のための意識変革 方針(6)固定的性別役割分担意識の解消に向けた啓発・相談」における「33 男女平等参画啓発事業」に対する意見として、「色別の性別表記によりことさらに性別意識をもたせることを解消するために、男女平等参画センターを始めとする公共の施設におけるトイレ等の性別の色分表記のあり方を検討することを要望する」と明記されている。
トイレウォッチャー“S”ーいとうしずか
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