今回は前回に引き続き、寮生活についてご紹介します。今となっては良い思い出となりましたが、初めての共同生活はストレスが溜まる日々…特に、寮の設備と規則には驚かされました!

? 森に佇む寮の一部。外観は素敵なのですが…

? フラットの廊下。1つのフラットに8部屋、奥にボイラー室があります。

①お湯問題
寮の設備で一番驚いたことは、突然お湯が出なくなること。この問題には、留学期間中ずっと悩まされました。凍えるような寒さの夜にシャワーを浴びていると、突然冷たい水に変わってしまい…ヤカンでお湯を沸かして、身体にかけるなんて日も!どうやらフラット全体で一定量のお湯を使ってしまうと、再度ボイラーがお湯を沸かすまでに何時間もかかってしまうという仕組み…イギリスは本当に先進国なのだろうかと思う一方、日本のサービスや設備は本当に充実していて、恵まれた生活を送っていたのだと実感しました。

②寮の規則
寮生活において様々な規則が定められていましたが、入寮時にすべてが知らされていたわけではありませんでした。ある日授業後に帰宅すると、部屋の床が泥で汚れており、人が入った形跡アリ!!!泥棒かと思いきや、ハウスキーパーと呼ばれる人が不在中にすべての部屋に入り、室内の点検をしていったとのこと。事前の通知もなく、事後も特に報告はなし。その後、ほぼ毎月ハウスキーパーがマスターキーを使って室内に入り、不要な家具が増えていないかなど、チェックをすることが分かりました。せめて、いつ来るのかくらい連絡をしてくれてもいいのに…。一応、点検日の予定表が張り出されましたが、案の定その通りには実施されず。

? 部屋のトイレ兼シャワールーム。 しばしば湯船が恋しくなりました。

一番思い出深い出来事は、部屋にいる時にハウスキーパーと鉢合わせになった時のこと。私は土足での生活に抵抗があったので、床にカーペットを敷き、部屋の中では靴を脱いで生活していました。しかし、彼女曰く、法律の定めにより、室内の床の上には何も敷いてはいけないとのこと。「部屋に入る時は靴を脱いでほしい」「カーペットを踏まないでほしい」と訴えても、彼らはそんなことはお構いなし!どうやらイギリスでは火災予防に関してかなり厳しい法律が定められているようで、なぜか窓も数センチしか空かないようにロックされていたり、事前連絡なしの避難訓練が真冬に行われ、早朝にパジャマ一枚で屋外に避難したことも。規則と言われてしまうとどうしようもないのですが、文化の違いを少しは理解し、尊重してくれてもいいのにと思いながら、しばしば意見をぶつけていました。寮生活が1年たった頃には、「英語で口論できるようになったなんて、私も成長したなぁ~」と思えるようになりましたが。

これはいわゆるカルチャーショックの一例なのでしょうか。他の大学の話を聞いてみると、部屋に無断で入るなんてことはないようでしたが…このことが嫌で退寮してしまった留学生もいたようで、私もイギリス人との生活習慣や考え方の相違に驚きや戸惑いを感じ、英語で自分の思いをうまく伝えられないことに苛立ちを感じる日々を送っていました。それでも、ハウスキーパーと闘うためにフラットメイトと団結し、絆を深められたことは幸いでした。今回は、寮生活の文句!?を書き連ねてしまいましたが、今では毎日湯船に浸かれる幸せを身にしみて感じることができます。(つづく)

Megure Yui