女の本屋

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帰ってきた1984『一九八四年』ジョージ・オーウェル

2009.10.02 Fri

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絶版になって久しく、本屋で手に取ることができなくなっていた本書が、新訳になって帰ってきました。わたしが初めて本書を読んだのは、90年代初頭で、まだまだ頭は冷戦時代。かの有名なビックブラザーの、レーニンを彷彿とさせる強烈な印象とともに、ユーラシアvs.オセアニアのデストピアとして東西冷戦を予言したかのような本書は、全体主義世界の恐ろしさを文学の形で表現したものとして、全体主義について考える人たちによってもいくども参照されてきました。

 1984年からは、はやくも25年が経ちました。ネット社会のなかで誰もが誰かと「接続状態」な今、本書は新しい印象をわたしたちに与えるはずです。戦争は平和なり
自由は隷従なり
無知は力なり  (本書44頁より)

オセアニアを独裁する党のスローガンが、なぜか現在のわたしたちを記述しているようにも思えてきませんか?

「過去をコントロールするものは未来をコントロールし、現在をコントロールするものは過去をコントロールする」(同383頁)。
一人ひとりにとっての記憶の大切さを考えたい人にとっては、待ちに待たれた新訳の登場。新たに追加された、トマス・ピンチョンの解説も、ファンにとってはたまらないはずです。(moomin)








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