「WANなひとびと」はWANに関わる人々のページです。

今回はWANサイトのミニコミ図書館館長 満田康子(みつだやすこ)さんが、
『We learn』((公財)日本女性学習財団発行)のインタビュー記事「このひと」に掲載されましたのでご紹介します。
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このひと ~Special Inteview~

「ミニコミ誌をWebで公開し 次世代につなげていきたい」

WANミニコミ図書館館長 満田康子さん

2013年5月に開設した「WAN(Women's Action Network)ミニコミ図書館」の目的は、1970年代から現在に至る草の根のミニコミ誌(自主制作の雑誌)を収集し、電子データ化して保存・公開、女性たちの足跡を記録として残し、若い世代に引き継いでいくこと。現在80タイトル、4,000冊ほどのミニコミ誌が無料で閲覧できる。

館長の満田さんは、大学卒業後、法律関係の出版社に就職。編集部に配属され、数年後に職場結婚、出産した。子育てしながら働く中で、家事・育児の固定した性別役割りや賃金・昇給・昇格差別の男女不平等に息苦しさや怒りを感じたという。

当時は、国際女性年(1975年)を基軸に、女性差別撤廃条約批准への動きなど、女性運動が活発化し、ミニコミ誌もたくさん生まれた。そこには、マスコミが報じないニュースや女性たちの本音があった。満田さんも共鳴し、時には集会にも参加して多くの女性たちに出会った。その出会いは、仕事の中で女性問題を手掛ける企画にもつながっていった。定年退職後の2011年、NPO法人WANの理事長・上野千鶴子さんから「主宰者の高齢化で散逸する危機にあるミニコミ誌の図書館をWANで作りたい。立ち上げに力を」と声がかかった。「ミニコミに育ててもらった」ことを思い出し、少しでも恩返しができたら、とIT弱者にもかかわらず館長を引き受けることにした。

始めてみると、ミニコミゆえの難問にぶつかった。「紙で発行することを大事にしてきた」「自分たちのために作ったものだから」という主宰者や執筆者も多く、インターネットに不案内という世代でもあり、Webサイト公開の理解を得るために、端末を持参して説明にも行った。一方、「高齢集団でなかなかできなかったことなのでうれしい」という声も届き励みになっている。ミニコミ誌の収集・保存・公開を維持・継続していくために、「ミニコミバトンタッチの会」を作り、ボランティアや寄付を募ることも始めた。

収集したミニコミ誌は東京近辺のものが多いため、地方のミニコミ誌の掘り起しにも力を入れたいと考えている。仲間に若い人も増えてきて、世代をつなぐことができるのではと楽しみだ。「活字には大きな力がある」と実感してきた満田さん。次世代へのバトンタッチを胸に、1冊でも多い公開にこれからも取り組みたいと笑顔を見せた。

<月刊『We learn』(公財)日本女性学習財団発行,2017年2月号「このひと」より転載>
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月刊『We learn』(公財)日本女性学習財団発行,2017年2月号「このひと」より