先日、WANシンポジウムに参加した際、正体を明かしてしまいました…
実は私、すでに日本へ帰国しております!
毎月、過去に撮り溜めた写真を記憶の片隅から引っ張り出しているので、
タイムリーなことを書けず、すみません…
そんな後ろめたさを感じていましたが、
イギリス留学中の臨場感がコラムを通して読者の方々に伝わっていることを知り、
非常に嬉しくなりました。
毎月読んでくださっている皆さま、ありがとうございます。
▼△▼△▼
今月は番外編といたしまして、今年度のWANシンポジウム開催地、北海道の魅力をご紹介します。
と言っても、シンポジウム参加者や実行委員の皆さまは十分ご承知かと思いますので、
今回は私にイギリスを想起させた札幌と小樽の風景をご紹したいと思います。
早速ですが、下の写真は札幌市内にある赤れんが庁舎(北海道庁旧本庁舎)です。
周りには美しい庭園が広がり、無料で施設内を見学できるのが魅力的!
コラムの連載開始当初にご紹介しましたが、
私がイギリスで通っていた大学もこのような美しい赤レンガで造られた校舎だったので、どこか懐かしさを感じました。

シンポジウムの前日、新千歳空港に降り立ち、初めに向かった先が港町の小樽。
札幌市内へ向かう電車の中で「この電車は~札幌経由~小樽行き~」のアナウンスを聞いた途端、
急きょ行き先を小樽に変更しました。
見知らぬ土地に到着すると冒険心がフツフツと沸き、つい立ち寄ってしまうのは、
イギリス留学中に身についた習慣のようです。

到着したのは18時頃。すでに日が暮れ始め、辺りのお店は閉まっていましたが、日が沈む風景と運河沿いに立ち並ぶ建物が調和した風景はなんとも幻想的でした。小樽運河と街の歴史を肌で感じていたら、同じく運河として発展したロンドンのテムズ川沿いの街並みを思い出しました。イギリス留学中はよく川にかかる橋の上でロンドンの空と川を眺め、留学しているという実感をかみしめたものです。
さらに、その昔「北のウォール街」と呼ばれた小樽には、100年以上も前に建てられた元金融機関を中心とした建築物が各所に残されている一方、メルヘン交差点と呼ばれるヨーロッパ風の建物が並ぶ一帯もあります。
明治時代に始まった西欧文化輸入期の趣がそのまま街に残されており、
近代建築と伝統文化が混在するロンドンの街並みに共通する部分を感じ取りました。

夜の小樽で海鮮料理を堪能した後、ようやく札幌に到着。次の日は朝から、付近の観光地を巡り歩きました。出発地点は、札幌を訪れた方々から口々に勧められた北海道大学。そこは大学というより、広大な緑地公園のようで、学生だけではなく、観光客や地元の人々が集う憩いの場となっていました。敷地内のベンチに座っていると、イギリスの公園で散歩や読書をした記憶が甦ってきました。ロンドンは一大都市だというのに、市内に大きな公園が点在しています。特に天気が良い夏の時期になると、人々が地面やベンチに寝そべり、友人や恋人、そして家族と思い思いに過ごす光景が至る所で見られました。北海道大学でも、流れる川の脇に置かれたベンチで学生が本を読む姿を目撃し、こんな場所で勉強できるなんてとても素敵で羨ましく思いました。
【写真は、以前ご紹介したイギリス・グリニッジの公園。】

そこから少し離れた北海道大学の植物園には、これまた広大な土地で様々な植物が成長している姿を見られるほか、剥製が展示された博物館なども見学できます。日々の生活に追われていると、公園でのんびりとした時間を過ごすなんて気持ちには、なかなかなれませんでした。しかし、時にはパソコンやスマホの画面から離れ、豊かな緑に囲まれながら何も考えない時間を作ることが、明日への活力につながることを実感しました。北海道の街と自然が、つかの間の癒やしと懐古の時間を与えてくれました。
【写真は、北海道大学の植物園。この日は5月だというのに、真夏のように暑かったので、木陰で休憩中。】
(つづく)
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