
アステージ(明日のステージ創り手)メンバー
第1期生は、16人。
「動けば変わる。社会は変わる。」プロジェクト(主催:レッツ・アステージ、共催:WAN)で、WANシンポジウム2017@北海道・札幌のレポーターを務めました!
「自分ゴト」の半径が3メートルから30メートルに広がる瞬間を実感したメンバーからのレポートを連載します。
アステージ・メンバー第1期生
虎岩朋加(とらいわ ともか)
わたしの生まれて初めての札幌訪問は、WANシンポジウム2017への参加で実現した。札幌と言えば、動物のお医者さん、動物のお医者さんと言えば、北大獣医学部。10代の頃読んだ漫画のイメージで頭をいっぱいにして、空港に到着。
同行した人は、北大のOGで、空港からあれこれと札幌ならではのものを指し示してくれるかと期待したが、すでに見慣れた風景なのか、わたしに感慨に浸る時間も与えず、さあエルプラザへGO!とどんどん先に進んでいってしまった。この辺りから、わたしは、なんとなく予感したのであった。今回は、札幌観光どころではない、「社会を変える」運動一色の旅になるのではと。
エルプラザに到着したわたしが、一番に行ったのが、WAN助成金をもらっているチーム=ディーセント・ワークの事業の一つ、アートでなるほど展の森智香子さんのDWかるたパネルの展示作業であった。公の場での初お披露目とあって、パネルがどんな出来なのか、どんな風に展示の場で見えるのかどきどきしたが、思っていた以上の出来栄えで、心の中で森さんに拍手喝采をおくった。
展示中は、立ち止まって見てくださる方、ディーセント・ワークについて興味を持って質問してくださる方もおり、展示ができて、本当に良かったと思った。あわせて、ディーセント・ワーク広げるグッズであるDW缶バッジも販売した。
アイデアとしては、缶バッジを2つ1組で販売し、一つは自分がつけ、もう一つはお知り合いにプレゼントしてもらうというもので、DWの理念に共感してくれる人が、DWバッジを渡す行為を通してDWを広げる運動に参加できるという仕掛けであった。今回のシンポジウムのテーマ「自分ごとから始まる社会づくりー半径3メートルをこえてー」に対する、わたしたちチーム=ディーセント・ワークからの応答であった。
思えば、昨年度のWANシンポジウム「人間らしく働きたい!わたしたちのディーセント・ワーク」から、わたしたちの半径3メートルをこえる社会運動は始まったのであった。
コーディーネーターの渋谷典子さんのアイデアで、通常、シンポジウムが完結の場となるところ、シンポジウムから始めるという新しい形を模索することになった。WAN助成金も得ることができ、チーム=ディーセント・ワークは、DW届ける講座、DWアートでなるほど展、DW広げるグッズの三本柱で、「人間らしく働きたい!わたしたちのディーセント・ワーク」運動を展開することになった。
札幌でのシンポジウムは、そのスタート地点となったのである。チーム=ディーセント・ワークの活動は、新潟市、西東京市で実施済み。さらに、秋田や札幌、盛岡、和歌山にも展開予定である。
シンポジウム壇上では、田中優子さん、鎌田華乃子さん、武村若葉さん、下郷沙季さん、美馬のゆりさん、それぞれがそれぞれの半径3メートルをこえた社会運動について語った。そしてその話に聞き入る200名近くの参加者たちも、それぞれ半径3メートルをこえる社会運動に従事している。すごいことだ。
この北の地に、半径3メートルをこえる社会運動というキーワードでゆるく繋がる人びとが、ライラック香る初夏の札幌観光そっちのけで、それぞれの半径3メートルをこえる社会運動を一生懸命考え、実践している。
わたしの予感は、どうやらあたったようだ。今回の旅は、札幌観光どころではない。ま、これでよしとしよう。こんなこと滅多にないのだから。しかしせめてスープカレーだけは、食べて帰ろうと、会場を後にした。
伊藤有理沙(いとう ありさ)
5月20日に札幌市で開催されたWANシンポジウム2017「“自分ゴト”から始まる社会づくり-半径3メートルをこえて」に参加ました。
そこで感じたことは、社会運動はもっと気軽で自由でいいのだ、ということです。
今回のシンポジウムのテーマが社会運動だと知ったとき、私は社会運動なんて大それたことはしたことがないし、縁遠いな、と思っていました。社会運動は、デモに行ったり、キャンペーンをはったり、ロビー活動をしたり、政治的に社会に対してインパクトを与えることだと思っていたからです。
今回シンポジウムで田中優子さんをはじめ4名のパネリストの方のお話を聞き、どの方のやってきたことも、肩ひじを張らない、誰でも簡単に参加できるような取り組みだったことが印象的でした。
特に、美馬のゆりさんが活動されてきた「科学祭」は、私が活動してきたことととてもよく似ていました。美馬さんは「はこだて国際科学祭」の企画運営を通じて、科学館のない函館で、市民が科学に親しめる場を提供していました。また、「ハレの場」の意味を持つ「祭り」を開催することで、いつもとは違う雰囲気や高揚感の中で、様々な世代の市民が科学について考えるきっかけを与えることができた、ということでした。
私自身も学生時代、市民に農業や食に興味を持ってほしい、生産者ともっと繋がってほしいと思い、札幌で開催する「北大マルシェ」の企画運営に携わりました。市と農村のかい離についての考えるきっかけづくりの場となりました。私が取り組んできたことも社会運動だったのだ、と気づきました。「北大マルシェ」も「祭り」だったからこそ多くの人が足を運び、楽しんで帰ってくれたのだ、と今さらになって実感しました。
世の中の課題に対して政治的に訴えることだけが社会運動ではないのだと、気づけたことが今回のシンポジウムでの私の学びでした。「社会運動」と聞くと、仰々しい「活動」のように思いがちですが、私が今までやってきたような小さなレベルのことでもいいんだ、と思ったら、もっと気軽に社会運動を語れるような気がしました。
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