アステージ(明日のステージ創り手)メンバー
第1期生は、16人。
「動けば変わる。社会は変わる。」プロジェクト(主催:レッツ・アステージ、共催:WAN)で、WANシンポジウム2017@北海道・札幌のレポーターを務めました!
「自分ゴト」の半径が3メートルから30メートルに広がる瞬間を実感したメンバーからのレポートを連載します。
アステージ・メンバー第1期生
工藤 遥(くどう はるか)
WANシンポジウム2017では、未熟ながら実行委員としてシンポジウムの企画と運営に関わらせていただきました。勝手ながらここで、シンポジウム当日に至るまでの約1年間の活動について振り返らせていただきたいと思います。
札幌市男女共同参画センターの菅原さんから今回の実行委員にお誘いをいただいたのは、昨年3月のことでした。2015年に国連の女性の地位委員会でインターンをした際、女性の人権問題やジェンダー平等について活発に運動している世界の若者の姿をみて、私も何かアクションを起こしたい、でも一人で何をどうしたら・・・と考えていたときに舞い込んだ実行委員のお話。
これはチャンスかもしれない、と興味を持ちました。しかし、学業や非常勤との両立、そして全くの未経験でシンポジウムの企画運営をすることに不安を感じ、正直なところ自分には無理だと感じました。それでも、「今回は、札幌型で、チームでやりましょう」と菅原さんがおっしゃってくれたことに背中を押され、「この方と一緒にやるなら、なんとかなるかも」と引き受けることにしたのでした。
今振り返ると、結果的には当初私が想像していた以上の大きなプロジェクトを運営することができました。それはやはり、ベテランのWAN事務局スタッフのサポートとともに、菅原さんや実行委員メンバーという「チーム」があったからだと感じています。普段は、研究にしても非常勤の仕事にしても、ほとんどを自分一人で決め、自分のペースと自分の責任で行うことが多いのですが、シンポジウムの運営はそうはいかず、当然ながら一人でできることでもありませんでした。
はじめのうちは自分がリードしていかなければとの気負いがあり、ミーティングでも一人でしきってしまったり、他の人がしてくれた仕事に対して自分の意見を出しすぎてしまうこともありました。しかし、個性豊かで明るい実行委員メンバーと触れ合う中で、真剣にやる以上に、皆が楽しく取り組めなければ意味がないと気づかされました。また、一人で抱え込まずに、誰かを頼ってお願いすることもチーム運営では大事なことであり、その方がより良いものができるということも学ぶことができました。
シンポジウム当日は、講師の方々から本当に多くの示唆をいただきました。一つ一つをここであげることはできませんが、1年に渡って活動をしてきたことで、お話の意味がより実感を持って「腹に落ちた」ように思います。
最後に、鎌田華乃子さんの「スノーフレーク・リーダーシップ」のお話を思い出しながら、「スノーボール・リーダーシップ」という言葉が頭に浮かびました。小さく未熟なリーダーが右往左往しながら転がっているうちに、それを支えようといろんな人がくっついて力を貸してくれ、やがて大きな雪玉が出来上がる。
今回、実行委員に挑戦したことで、普段出会うことのない人たちと知り合うことができ、共通の目標に向けて一緒に活動することができ、自分自身の成長も感じることができました。このような貴重な経験をさせていただいたこと、そして支えてくれた多くの方々にこの場を借りて改めて感謝申し上げます。
桜井千穂(さくらい ちほ)
WANシンポジウム2017「“自分ゴト”から始まる社会づくり-半径3メートルをこえて」(5月20日・札幌)に参加しました。
オープニングは、女性ゆえに「陽の当たらなかった女性作曲家たち」の名曲を掘り起こして演奏している石本裕子さんのピアノ演奏。このシンポジウムではピアノ演奏だけでしたが、5月末に東京であったピアノコンサートでは石本さんによる解説付きだったので、初めて聴く曲でもよりいっそう演奏に入り込むことができました。WAN共催で、石本さんの解説付きコンサートが全国5カ所で予定されているので、ぜひおすすめです。ピアノが生きているような、そして女性作曲家たちの息遣いが聴こえてくるような演奏です。
シンポジウムの基調講演は法政大学総長の田中優子さん。「学生が権利主体であると認識できる環境をつくることができているか」と考える総長がいる法政大学は、なんとすてきな大学なのだろうかと思ってしまいました。そしてそれは大学教員だけに限ったことではなく、大人は子どもが権利主体であると認識できるような環境を作っているか、私はどうなのか、という問題を突き付けられたのだ、とも感じました。
軍事研究禁止を制定したことなどで田中先生に不当な圧力をかけられないように、まずは城西大学の水田宗子先生を応援しなければ、などと考えてしまいました (多くの男性は媚びない女性が嫌いで、潰そうとするので)。
続いての「自分ゴトから社会を変える」の実践事例として、4名の方が発表され、パネル討論も聞き応えがありました。4人ともゆるやかに確実に活動していて、「自分にも何かできるかも」と、勇気が出る内容でした。印象的だったのは、4人ともほとんどニコリとも笑わなかったこと。
仕事でもなんでも笑顔でごまかしてきた私にとって、「笑顔じゃなくてもいいんだ」というのはかなり新鮮でした。また、色カードを掲げることで一緒に彼女たちの行動に参加しているように感じられて、ちょっとうれしかったのでした。
実践事例を聞きながら思ったのは、子どもがいる人なら「もっとPTAを活用したらいいかも」ということでした。いろいろと問題視されている公立小・中学校のPTAですが、多少とも関わってきた人間としては、「すでに予算もあるし、周りを気にしなければけっこう好きなことができる」と思います。
校内の講演会で「性について親子で話す」などのテーマもできないことはないですし、警察や自治体の会合にも招かれて発言もできるので、活用しない手はないと思います。任期はほぼ1年なので、できれば会長や委員長などになって、空気を読まず、ジェンダーの視点を持ち込んでガンガンにやってしまうといいかと思います。
また、WANシンポジウムも、夜に開かれた懇親会も居心地のいい場所だと感じました。常日頃、仕事場などで女性の役割を求められての会話で疲弊している人間にとっては、女性が抱える問題について、となりに座った見知らぬ人とでも、かなり安心して話せる場でした。
WANのみなさま、スタッフのみなさま、充実したシンポジウムに参加させていただき、ありがとうございました。また来年、横浜でお会いしましょう!