
アステージ(明日のステージ創り手)メンバー
第1期生は、16人。
「動けば変わる。社会は変わる。」プロジェクト(主催:レッツ・アステージ、共催:WAN)で、WANシンポジウム2017@北海道・札幌のレポーターを務めました!
「自分ゴト」の半径が3メートルから30メートルに広がる瞬間を実感したメンバーからのレポートを連載します。
アステージ・メンバー第1期生
多田 彩(ただ あや)
1.今回のシンポジウムのテーマは、「“自分ゴト”から始まる社会づくり―半径3メートルをこえて―」。なんと難しいのか、と思っていた。
社会人として働いてみれば、自分の周囲に文句はいくらでも出てくるものの、「社会づくり」、「社会運動」は、とんでもなく、ハードルが高い。
2.結論からいえば、今回ワークショップも含めて講演会に参加した収穫は、「あ、割と社会運動ってこんな感じ?」と思ったことである。
(1)基調講演は『そろそろ「社会運動」の話をしよう』の解説+αであった。この講演を聞いてから、本をもう一度読み返すと、大学を出てまだ数年の身からすると、大学で学んだことと実生活があまりに乖離しすぎていることに反省してしまう。
(2)鎌田さんの「コミュニティ・オーガナイジング」の第一印象は、初耳だがこれは何?ということ。翌日のワークショップも通じて、“自分ごと”を周囲に訴えるための技術であることを知る。そして、刑法一部改正を掲げて実践していった理論が、今国会で成立したのを見て、一つの成功例の過程を聞けたと思った。
武村さんの「Change.org」は、「保育園おちた日本しね」からSNS・メディアを使った社会運動拡散から政策へ反映できた成功事例の紹介。このサイト利用が現実的にポチポチと参加できる最初の機会では、と思う。
下郷さんの話は、多く、記憶に残っている。どうして、“自分ゴト”を放っておけないのか、どうやって自分なりに落とし所をつけているか、その過程を知れたからだと思う。様々な問題には既に名前がついているし、誰かが何かの理論・解決策を作っている。ただ、そこに乗っかり、自分で発信していくと自分の思っていることが違う文脈で伝わることもある、と。
美馬さんのお話は、科学を「祭り」という形で周りに広める、というご自身の価値観を実現させた一つの成功例であった。
3.総じていえば、「社会運動」の中身、ハードルを考えた場であった。
もう、私は学生ではない。社会人として、立場もあるのだから「社会運動」とは遠く離れた場所にいるのか?全生活を捧げなければ、「社会運動」はできないのか?
日々の生活はほぼ仕事が全てになってしまうけれども(ブラック企業ではなく、かなり健全な勤務時間の会社にもかかわらず)。
でも、その中で違和感を持つこともあるし、どこら辺を調べたら良いかもわかる。ニュースを見ても、どの人の意見が自分と同じか、違うかもわかる。
自分の価値観を通す社会にすることを、人生の命題にしなくても良いけれど、どこかで片手間にでも自分の価値観を見直して、少しずつ行動に移す自分でありたい。
自分や社会に対して、どうにかならないかなー?と思うこと。どうやったら解決できるかなー?と考えること。どこから手をつけたら簡単に、お手軽に何かできるかなー?と探すこと。そこから始めようと思う。
Li Ni(り に)
わくわくしながら、5月19日(金)名古屋の仲間と一緒に夜のフライトで札幌に着きました。夜の札幌が寒いなぁと服選びの失敗を反省していました。
5月20日(土)のお昼ぐらい、北海道・札幌エルプラザへWANシンポジウム2017「“自分ゴト”から始まる社会づくり-半径3メートルをこえて」を参加に行きました。昼間の札幌は、晴れで、とても快適でした。会場の外では、既にピアノの演奏が聞こえて、一層わくわくになりました。田中優子先生による基調講演――さあ、「社会を変える」を始めよう――のあと、四人のパネリストによる事例が紹介されました。理論と実践が密着した「“自分ゴト”から始まる社会づくり」だと実感しました。
特に、パネリストの美馬のゆり先生の報告は、自分にとって一番勉強になった内容です。なぜならば、美馬さんの提起している「祭り」という運動方法が、シンポジウムのテーマである「“自分ゴト”から始まる社会づくり」そのものですから。壁を作らず、「祭り」の形を取って「科学」を身近な問題として呈示し、子供から大人まで、素人から専門家まで、誰でも楽しんで参加できるイベントは、確実な社会的な意義を持っています。
最も大事なのは、誰でも参加できるという点です。つまり、科学館の壁を崩して、「科学」が「祭り」として展開されることで、普段ほとんど受け身で「観客」としてしか科学と接することのできない人々は、能動的に「科学」活動に参与できるようになり、自ら「祭り」を成り立たせる役割を果たすことで、個々人と「科学」との関係を問い直せる機会をいただけます。更に、「環境」、「食」、「健康」のようなテーマと関連づけて、一層参加者の人々の科学への理解度とその知識への希求を深めるようになります。
これは、「社会づくり」に切り替えても、同じだと思われます。「社会づくり」は、一人二人の問題でもなく、専門家や政治家の問題でもないです。「社会づくり」は、誰か代行してもらうことではなく、われわれ自身によって行われるものです。だから、私たちは、能動的な参加者として、「社会づくり」と接する必要があります。しかも、楽しく「社会づくり」を行うことが要求されます。楽しくないと、多くの人々が続かないし、「社会づくり」への共感も得られないと思われます。多様性が求められる現代では、「社会づくり」も、多様なやり方で展開できればいいなぁと考えております。
上野千鶴子さんは、シンポジウムの総括で、「横だけでなく、世代間という縦のネットワークにより、知恵とノウハウを使い合っていこう」と語りました。声がとても優しかったので、癒されたと同時に勇気づけられました!本当にありがとうございました。
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