
この絵本、保育や教育の現場に広く導入し、活用してもらえないものでしょうか!
●性虐待防止だけでなく、今、話題となっている Sexual Consent (性的同意)
あるいは不同意の基本となる感覚や表明の方法について、
子どもの頃から、みんなが共通に学ぶことができる教材だと思います。
●相手が「さわらないで!」と言えば、それ以上、踏み込まないことを学ぶ機会となる…
この絵本は、加害者をつくらないための学習としても有効なのではないでしょうか。
●保育や学校現場のおとなたち自身が、この絵本を活用することをきっかけにして、
家庭内性虐待の早期発見へのセンサーを高めたり、
現場におけるセクシュアル・ハラスメント防止にも役立つのではないでしょうか。
教育分野の方、子ども支援の仕事やボランティアの方、制度にお詳しい方、
この絵本の活用についてアイディアをいただけませんか。
そして若い教員や保育士さんたちに、この絵本と具体的な活用例をたくさん届けられないものでしょうか。
どのように導入していくことができるでしょうか。
お知恵をお待ちしています!!!
愉快な展開で楽しませてくれるカラフルな絵本のタイプではありません。
一色刷りの小さな冊子の形の絵本(1冊500円)で、ストーリーは超シンプルです。
主人公は、女の子にも男の子にも見えます。
(聴き手の子どもがどんな性であっても感情投入しやすい。)
発行は「NPO法人女性と子どものエンパワメント関西」というところです。
※HPに申込書がアップされていました。
https://www.en-kan.jp/
活用や導入について、お知恵をいただける方は、以下にメールをお願いいたします。
***************
masako-hatanoあっとhcn.zaq.ne.jp
(あっとを@に変えてメールしてくださいませ)
はたのまさこ(大阪在住)
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この絵本は、1990年に、初めて日本に紹介された性虐待防止の絵本です。
性虐待そのものに具体的には言及しないで、性虐待を防ぐ大事な2つのポイントが描かれています。
●安心なタッチ、不快なタッチを感じ取る。
●不快と感じたときの《反射的動作》を練習する。
そして、今、改めて、この絵本がタイムリーだと考える理由は、3つあります。
●性的同意・不同意の基本となる感覚や表明の仕方を、子どもの頃から、みんなが「共通に」学べる素材ではないか?
●「被害防止」だけではなく「加害防止」、「加害者をつくらない学習」になり得るのではないか?
●子どものいる現場のおとなにとって、
性虐待早期発見やセクシュアル・ハラスメント防止の研修にもなり得るのではないか?
私は研究者ではなく、一市民、一読者の立場です。
素人のつたない文章になりますが、以下に思うところを綴ってみます。
【安全な場所で《不快なタッチ》を語ることができる】
シンプルなストーリー展開で、イラストは一色刷り、小さな絵本です。
ですので、小さな子どもに読み聞かせるときは、読み手と聴き手の交流がポイントになると思います。
安心した安全な雰囲気のなかで、いろんなパターンの不快なタッチのことを話題にできます。
タッチについて、どんな風に感じるか、一人ひとり、違います。
読み聞かせながら、読み手と聴き手がお互いに《いいきもち》や《いやーなきもち》を共有できます。
「NO!」の表明には罪悪感やためらいがともないがちですが、
この絵本では、主人公が、堂々と「さわらないで!」と言います。
NO!を言うことを教える絵本はいくつかありますが、
この絵本では「さわらないで!」という《練習場面》が物語の流れのなかにあるところが素敵です。
共通語である「さわらないで!」という言葉ではなく、
もっといのちが弾んだ言葉を見つけて、言い合うのも楽しいかもしれません…
読み手と聴き手、双方が温かく交流するなかで、不快なタッチについて扱うことができるのです。
この絵本は、小さい子どもから使えて、くりかえし遊びながら、
《わたしのからだは、わたしだけのだいじなもの!》と覚えていくことができます。
【授業で使って《共通ルール》をつくることができる】
今の若い教員や保育士の方でこの絵本をご存知の方は、どのくらいおられるでしょうか。
かつて全国あちこちの学校現場で、この絵本は紹介され活用されていたようです。
しかし1980年頃から男女共生教育などに熱心に取り組んでくださった先生方が次々引退されています。
私の住む地域では、紙芝居に加工して使っていたという小学校がいくつもありました。
今も、絵本のイラストをパワーポイントに取り込んで授業に使っておられるという小学校もありました。
お話を伺ってみると、事前に授業で使っておくと、クラスでの様々なトラブルの対処に役立つそうです。
(※とくに学校現場での活用について、もっと知りたいと思っています。情報があればお寄せください!)
この絵本では、性虐待について具体的に言及していませんので、扱いやすいメリットがあります。
●不快なタッチだと感じたら「さわらないで!」と表明する。
→→→それが受け入れられる体験を重ねる。
●相手が表明したら、踏み込まない。
→→→否定されたと受け取るのではなく、淡々と、それ以上は踏み込まない体験を重ねる。
保育園や小学校の授業で扱うことによって、クラスの共通ルールとして確立させることができれば、
集団生活のなかで、お互いの気持ちを聴き合い、
身体や心の境界線(boundary)を尊重し合える場となります。
【《性的同意》の素地を耕すことができる】
昨今、「Sexual Consent(性的同意)」が話題になってきました。
双方による性行為への積極的な参加の意思確認は、とても大切なことだと思います。
最近ツイッターで紹介されたイギリスの動画「紅茶にたとえた性的同意の話」の登場はとても嬉しく思いました。
しかし、おとなになって突然、性的同意といわれても、戸惑うのが当然ではないでしょうか。
性については語られにくく、2000年代には政治的な圧力によって性教育が大きく後退させられました。
子どもや若者への性暴力被害は、深刻化しています。
実際、性暴力被害に遭えば身体が凍ってしまって動けなかったり、解離したり…
しかも見知らぬ他人からではなく、思いがけない顔見知りからの加害が8割…
著しい混乱に陥ります。
さらに上下の力関係が加わればNO!を言うことは、非常に困難です。
しかし、子どもの頃から不快と感じたときの《反射的動作》を、
何度も何度も練習しておくことは、無駄ではないと思うのです。
それも、日常生活のささいな場面で、当たり前に使っておくといいのです。
《わたしのからだは、わたしだけのだいじなもの!》と実感できていて、
「さわらないで!」と表明すれば受け入れてもらえる環境にあったならば、
相手の性的侵害に対して、「あ!これは不当だ!」と早く気づくことができると思うのです。
一方で、加害側は、育つ時から、歪んだ性情報にさらされ、
合意について歪んだ考え方を持ってしまっています。
今の日本社会は、多くの人たちが「悪意ないまま」加害者になっていってしまう社会ではないでしょうか。
学ぶ機会が「ない」のです。
…途方に暮れそうになっていた時に、この絵本の復刊の情報を得ました!!!
この絵本をうまく活用することで、子どもたちが将来、
性的なパートナーとの豊かな人生を創るために
大切な《性的合意》の素地を耕すことにも役立つのではないでしょうか?
【若い教員や保育士、教員や保育士をめざす方々に】
前述しましたが、学校現場では、
1980年代頃から熱心に男女共生教育などに取り組んでくださっていた年配の先生方の多くが引退され、
よいプログラムや教材が失われてしまったのではないかと気がかりでした。
ですので、この貴重な絵本が復刊したニュースに非常に喜び、
若い教員や保育士の方々に活用していただけるようにと切に願っています。
まずは、絵本の目的である子どもの性虐待防止に関心を持っていただきたいと思いますし、
若い世代の人たち自身が性暴力について考えるきっかけにもなるであろうと思います。
また、絵本を題材にして研修を組むことによって、
現場におけるセクシュアル・ハラスメント防止にも貢献するのではないでしょうか。
【最後に…復刊した絵本の活用案を!】
私は地元の女性センターで市民活動をしてきた市民のひとりです。
この絵本を、保育や教育の現場に広く導入したり、活用してもらえるようにする方法はあるのでしょうか?
また、若い教員や保育士の方、あるいは教員や保育士をめざす若い方に、
どのように、この絵本をお届けしたらよいでしょう?
具体的な活用例を添えてご案内するほうがよいだろうとは思うのですが、今、まったく手探りです。
この絵本を活用するプロジェクトのようなものを立ち上げてはどうか?と助言くださる方もありました。
みなさまからのお知恵やお力をいただければ幸いです!
●この絵本は、とてもシンプルです。
小さい頃から、自分で感じ取った感覚を表明する練習。これを、みんながしておく。
不快と感じたときの《反射的な動作》を、みんなが「共通に」学んでおく。
相手が不同意の表明をしたら、踏み込まない、ということも同時に学べる。
●これは被害防止。それ以上に加害防止。加害者をつくらない学習。
人生を豊かに創るための社会ルールの学習★だと思っています。
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