お母さんには悪いけど 私は紙オムツを使います
お母さんには悪いけど 私はミルクを飲ませます
お母さんには悪いけど 私は離乳食を買います

お母さんには悪いけど 私は家事も効率重視です
お母さんには悪いけど 私は手抜きもたくさんします
お母さんには悪いけど 私は手作りにはこだわりません
お母さんには悪いけど 食洗機は便利です
お母さんには悪いけど 乾燥機も ロボット掃除機も便利です

お母さんには悪いけど 私は自分のために遊びます
お母さんには悪いけど 私には私の時間が必要です

お母さんには悪いけど 私は仕事を続けます
お母さんには悪いけど 子どもを保育園に預けます
お母さんには悪いけど プロの保育は目から鱗です
お母さんには悪いけど…と 言い募ってはみたけれど
「私とあなたの特別な問題」ではないと思うのです なぜか

なぜ お母さんは「こうすべき」と言うのか
なぜ お母さんは「こうすべき」と言うだろうと思うのか
なぜ お母さんの「こうすべき」に反することを「悪いけど」と思うのか


だんだんと見えてくるのは
お母さんも言わされているということ
私も何かに縛られているということ


私を産んだあなたではない「お母さん」
「あるべきお母さんの姿」がどこかにいる
つかみどころがないけれど たしかにいる
「子どもがかわいそう」「お母さん失格」と言って
人を不安に突き落とす 妖怪「正しいお母さん」

「正しいお母さん」にはこう言いましょう
悪いけど なんて思っていません
私は自分で感じて考えて いいと思ったことをするのだから
あなたこそ 自分だけが正しいなんて言って 悪いと思ったらどうなんですか

お母さんには悪いけど…と お母さんも思ってきましたか?

お母さんには悪いけど…と 子どもには言わせたくない
言わせないための道を考えます

■ 小澤さち子 ■