「人間らしく、働きたい!」をスローガンに、ディーセント・ワークを実現させようという「届ける講座」が、11月25日、岩手県盛岡市で行われた。

参加者は、20代から70代までと幅広く、また岩手は広いので、南は一関市や奥州市、そして青森、仙台からと15人が集い、少々少なめだったが、バラエティーに富み、それぞれ抱える問題を語り合った。

講師・渋谷典子さん(WAN副理事長、労働法、ジェンダー政策研究論など複数の大学で非常勤講師)の基調講演で、労働法やディーセント・ワークの概念を学んだ後、5つのグループに分かれ、ディーセント・ワークを実現させるためには、どのような取り組みをしていけばいいのか、ワークショップとディスカッションが行われた。

 

社会教育現場にいる参加者は、キャリア教育に、ディーセント・ワークの視点が必要で、またシティズンシップ教育が大事と強調する。

リタイアして数年が経つ参加者は、オトコ社会の目に見えないルールに悩ませられてきた経験を語り、それに対して、勤めて2年目、女性が多い職場にいるという20代公務員は、まだオトコ社会を実感することはあまりないが、今の職場が自分に合っているのか、どうしたら楽しく充実した気持ちで続けられるか、という日ごろ思っているうやむやを話す。

また、現在、結婚を迷っているという参加者は、彼は結婚しても家事や育児はしないと公言していると打ち明け、会場からエーッという驚きとため息が上がる。

盛岡会場での「わたしたちのディーセント・ワーク宣言」には、悩みを率直に公表した参加者に敬意と励ましを込め、「子育ては、誰がする? 家事は、誰がする?」を選び、参加者全員で唱和した。

今回の講座に参加し、立場や年代の差はあるが、働く女性の抱える問題は、本質的には何十年と変わっていない(もちろん変わってきていることもあるが)と再確認した。

1つは法や制度を調え、活用すること、2つめは、オトコ社会にノーを言い続けること、3つめは、自分はどう暮らしたいのか、自分の時間を自分のものにするという時間主権、この3本柱が大事と整理した。

周りは男性ばかりだった職場にいた私は、社内にわかってくれる人、語り合える人が少なかった。
職種が違っても、社外で働く女性に会うと、怒りと笑いを共有でき、元気がもらえたという体験は貴重だ。やはり伝えたいのは、そこだなということも再確認できた。(而)