男女平等はどこまで進んだか――女性差別撤廃条約から考える (岩波ジュニア新書)

岩波書店( 2018-06-21 )


 本書は、国際女性の地位協会編による岩波ジュニア新書第三弾になります。これまで刊行してきました『女性の権利―ハンドブック女性差別撤廃条約』(1995年初版)、『新版 女性の権利―ハンドブック女性差別撤廃条約』(2005年初版)とは趣をかえ、条約に関わる身近なテーマやトピックスを切り口にしながら、女性差別撤廃条約と、条約をもとにしたジェンダー平等の国際基準のありかたや展開をやさしく解説しています。
 また巻末には、女性差別撤廃条約(英語正文と公定訳)と選択議定書及び解説、更には条約をより深く理解していただくために参考図書や資料、各章に関わる映像資料といった関連情報も掲載しました。高校や大学での授業や講義、レポート作成にも大いにご活用いただけると思います。
 ところで、女性差別撤廃条約を日本が批准して30年余。女性の地位や権利の向上、そしてジェンダー平等はどこまで進んだでしょうか。未だにこんな声を聞いたりします。例えば「洗剤のCMって、女性しかでていない。洗濯は女がするもの、って決められている感じがする」「今日、クラスの男子に女子力が低いって言われたけど、なんで女子ばっかり、どうでもいい力を求められるか分からない」「共働きをしている母が、人前で父のことを〝主人〟って言うんだけど、なんかへん・・・」「国会中継見てビックリ!男ばっかだし・・・」etc。さて、あなたはどんなふうにこれらの声を聞き、社会、そして自分の課題を見つけるでしょうか。
 今年5月「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が成立しました。ジェンダー平等の実現に向けて、また一つ扉が開きました。本書でもこの大きな一歩を取り込み、更なる社会の充実を呼び掛けています。