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性虐待の問題は裁判判決の問題として近年注目を浴びている。本書では夫婦間の性(不妊治療、高齢者の性)をはじめとして、性暴力(痴漢、セクハラ)や性虐待の背景などをカウンセリングの経験に立脚して述べた。
書き進めるほどに、性暴力はもっともプライベートな問題でありながら、構造としては驚くほど国家の暴力と似ていることに気づかされた。とかく個人の傷やトラウマに帰せられがちな性的被害を、ジェンダーやセクシュアリティの視点から、国家の暴力(戦争)被害とも絡めてとらえることを試みたものだが、果たして成功しているだろうか。
web連載のころから多くの読者から強い反響をいただいてきたが、新たに加筆してまとめた一冊である本書を、WANの会員の皆さまにもぜひともお読みいただきたいと願っている。