2010.04.16 Fri
北軽井沢に暮らす佐野洋子さんの日々のエッセイ。山を眺め、友人を訪ね、よろずスーパーの奥さんに感心し、夜中にてさぐりの温泉川へ出かけ、とれたての野菜や果物をもらっては、「自分の人にあげるものはみな金で買う」と恥じる。「オウ、何か文句あっか」と開き直ってみたり、次の瞬間には「神様、ありがとうございます」とつぶやいたり。気分のいい時も悪い時も、佐野さんの言葉は正直だ。そしていつもお腹のそこからほとばしり、そんな言葉で彼女は言う。「生きるって何だ。そうだ、明日アライさんちに行って、でっかい蕗が芽が出すか出さないか心配することだ。そして、ちょっとでっかい蕗のトウが出て来たらよろこぶことだ。いつ死んでもいい。でも今日でなくてもいいと思って生きるのかなあ。この日本で。」(anna)