1996年から日本軍「慰安婦」問題=日本軍性奴隷制問題を学術的に研究し、市民の方々との交流も深めてきた「女性・戦争・人権」学会から、
あいちトリエンナーレ企画展「表現の不自由展・その後」展示中止に対する抗議声明がでました。

この問題は、表現の自由といった問題だけに収まらず、1991年に金学順さんが、1990年6月の「慰安婦は民間業者が連れ歩いたもので、政府としては調査はできかねる」と言う政府の答弁に心底怒りを感じて、自ら「慰安婦」であったことを名乗り出た時からの、日本政府の対応に端を発しています。

1993年の河野談話では、「慰安婦たちは戦地においては常時軍の管理下において軍と共に行動させられており、自由もない、痛ましい生活を強いられていた」という事実や、「慰安所における生活は、強制的な状況の下で非常に痛ましいものがあり、いずれにしても、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけることとなった」という事実が認められ、その後の多くの研究でも、日本の旧植民地であった朝鮮半島だけでなく、中国やフィリピ他、当時の広大な戦地において、女性の人権を蹂躙する性暴力が行われたことが明らかになっています。

ところがいま、安倍首相はじめ、そもそもそうした事実さえ否定し、むしろ「慰安婦」として名のり出た女性たちの証言に耳を貸さないどころか、彼女たちの人格をさらに貶め、その人権を踏みにじる発言をする者たちが、日本社会の権力を握るようになりました。

この機会に、是非とも多くの方が、日本軍「慰安婦」問題の歴史的事実を直視し、この20年日本政府がどのような対応をし、そのことが国際社会でいかなる評価を受けているか、じっくりと考えてみてほしいと思います。
「平和の少女像」建立の除幕式が行われた、1,000回目の水曜デモの様子についても、こちらからご覧ください。

岡野八代