グレタのねがい: 地球をまもり未来に生きる

著者:ヴァレンティナ キャメリニ

西村書店( 2020-01-20 )


 2019年9月に気候活動家のグレタ・トゥーンベリさんが国連でスピーチをした頃から、日本でもようやく気候変動のニュースが報道されるようになった。
 しかし、メディアの報道を見ていると、彼女の発言の中身よりも、「トランプ大統領対グレタ」とか、アスペルガーであることに注視したり、大人に対して一方的に批判しているだけのような印象を与えるものが多いように感じられる。
 そもそもなぜ、グレタさんは地球温暖化を心配するようになったのだろう。本書ではそのきっかけや、両親との葛藤・理解をへて、2018年、15歳のとき金曜日に学校を休んでストライキを始めたこと、苦手を克服して各国でスピーチを続け、2019年にノーベル平和賞候補になるまでの行動と思いがえがかれている。巻末には、地球温暖化についての解説や、気候変動に関するトピック、キーワードもまとめられている。
 グレタさんが一貫して主張しているのは、「社会を動かす力を持つ大人たちに、科学者の声に耳を傾け、地球温暖化を食い止めるための具体的な行動をとってほしい」ということだ。
 世界的な異常気象に多くの人が同じ危機感を抱いたからこそ、“気候のための学校ストライキ”“未来のための金曜日”と呼ばれる彼女の抗議活動は、SNSを通じて急速に広がったのだろう。1年後の2019年9月には、日本を含む世界150か国を超える数百万人の若者たちが一斉に学校ストライキやデモ行進を行う“グレタ現象”が起こった。いまや994万人が彼女のインスタグラムをフォローし、グレタさんは2年連続で2020年もノーベル平和賞の候補となっている。
 行動を起こす原動力となるのは、まず知ることだ。気候変動に立ち向かおうと世界の人々に呼びかけるグレタさんのことを知って、この人類最大の危機を自分ごととしてとらえ、大人と子どもが力を合わせてどう新しい未来を作っていけばいいのかについて、思いをめぐらせてみてほしい。

目次:
1章 学校ストライキを始めた理由/ 2章 最初の勝利/ 3章 勇気あるアイディア/ 4章 人前でのスピーチ/ 5章 スウェーデンから他の国へ/ 6章 世界のリーダーたちに会う/ 7章 学校との両立/ 8章 未来のための金曜日/ 9章 グレタのねがい/ ●地球温暖化ってなんだろう/ ●わたしたちにできることは?/ ●気候変動に関する主なキーワード/ ●気候変動に関する主なトピック/ ●グレタさんの海外ニュース /●グレタさんから学べること――ジャーナリスト・増田ユリヤ