
私は2019年、「職場で女性のみにヒールやパンプス着用を義務付けることは女性差別にあたる」として、男女雇用均等法の見直しを求める「#KuToo」という署名活動を始めました。
そしてその運動についてまとめた書籍を昨年11月に出版しました。
私が#KuTooにたどり着いたのは、2017年末に自身の芸能界での性暴力について告白した#MeTooがあったからでした。
第1章では、その#MeTooから#KuTooへの流れ、そして第2章では女性差別を訴えた時のバックラッシュ、第3章ではこれからの労働について、労働法の専門家である内藤忍さん、ジェンダーハラスメント研究者の小林敦子さんとの対談が収録されています。
第2章にはたくさんのページを使い、#KuToo運動開始後に実際に投稿された批判的なツイートを引用し、それぞれについて改めて紙の上で私が反論し、解説しています。引用したツイートは一見筋が通っていると感じるものから、無茶苦茶なものまでセレクトしました。人々がどれだけ性役割を内面化してしまっているか、女性差別に無理解なのか、そして女性を黙らせようとするのか、#KuTooによってそれらが大きく露呈されたと感じています。
しかし、これらは今に始まった事ではないのです。私がグラビア女優を始めたころから、形を変えてずーっと続いていたのです。
本書の刊行後もクソリプが跡を絶ちません。私が対抗するとさらに攻撃されます。「やめて」とい言えば茶化されその投稿が拡散されます。相変わらず過去のグラビアの写真も勝手に投稿されます。amazonのレビューには明らかに読んでいないような人から中傷的なレビューをたくさん書き込まれています。もう限界かもしれません。
けれども、今後の女性運動がこんなやつらに潰されないように、もっと発展していくように、今一度考えるきっかけにもなりました。オンラインハラスメントを「仕方ない」「無視したほうがいい」で、本当に解決できるのでしょうか?
「性別に関係なく、全ての人に同じだけの選択肢を」。それが私の考えるフェミニズムです。専門家でも研究家でもない私が本気でフェミニズムを考えた1冊です。社会の問題を自分に引き寄せて考えられない人、興味を持てない人たちにこそ、私の体験を知り、個人的な経験が社会や政治を動かす可能性があることに気づいてほしいと思います。私が30歳になるまでフェミニズムに触れる機会がなかったこと、知ってから人生のすべてが変わったこと、それらが伝わると嬉しいです。
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